静乃と新治 第三部 ～純救出作戦 前篇
じゅ、純君は今どこに？
静乃が早口で聞く。
純の父親は無言でテレビを見る。
パレードが始まったようだった。
狙いは軍事パレード！
もう遅いっ！
…遅いんだ…
純の父親は吐き捨てるように言い、テーブルを拳で叩いた。
純はこのパレードの後、セイン大統領が国内外に向けて行う演説の際、
平和の象徴として他の僧侶と共に壇上で整列します。
主人が「もう遅い」と言ったのは純の体に巻かれた爆弾はタイマー式になっていて、
解除コードがわからないと停止はもちろんのこと、体から取り外すことも出来ないようになっているから。
唯一解除コードを知っている私たちのリーダーは今朝自殺したわ。
純だけを死地に向かわせるわけにはいかないって…
そんな…
静かに語る純の母親が決意を物語っていた。
おそらく息子の成果を見届けた後、自らも命を絶つつもりであろう。
まだ間に合うかも！
芽依が叫ぶ。
そうだ！芽依は爆弾のスペシャリスト！
声には出さなかったが５人はアイコンタクトで理解しあう。
皆無言で家を後にする。
一旦外に出た芽依はきびすを返して家に戻る。
お父さん！お母さん！
純君は必ず生きて帰って来ますから、それまでどうか早まらないように…
そう言い残すと大急ぎで車に乗り込んだ。
会場に付くと既にパレードは終わっており、大統領の演説準備が進められていた。
ナターシャとサーシャは会場の外を回って舞台の裏で待機。
芽依ちゃんと純君を守ってね。
芽依は純君を舞台の裏に連れて行き爆弾の解体。
私が陽動するわ。
新治さんはもちろん車で待機よ。
私たちが戻ったら追っ手は全て振り切ってね。
了解！
静乃の指示通り全員が散る。
静乃が早口で聞く。
純の父親は無言でテレビを見る。
パレードが始まったようだった。
狙いは軍事パレード！
もう遅いっ！
…遅いんだ…
純の父親は吐き捨てるように言い、テーブルを拳で叩いた。
純はこのパレードの後、セイン大統領が国内外に向けて行う演説の際、
平和の象徴として他の僧侶と共に壇上で整列します。
主人が「もう遅い」と言ったのは純の体に巻かれた爆弾はタイマー式になっていて、
解除コードがわからないと停止はもちろんのこと、体から取り外すことも出来ないようになっているから。
唯一解除コードを知っている私たちのリーダーは今朝自殺したわ。
純だけを死地に向かわせるわけにはいかないって…
そんな…
静かに語る純の母親が決意を物語っていた。
おそらく息子の成果を見届けた後、自らも命を絶つつもりであろう。
まだ間に合うかも！
芽依が叫ぶ。
そうだ！芽依は爆弾のスペシャリスト！
声には出さなかったが５人はアイコンタクトで理解しあう。
皆無言で家を後にする。
一旦外に出た芽依はきびすを返して家に戻る。
お父さん！お母さん！
純君は必ず生きて帰って来ますから、それまでどうか早まらないように…
そう言い残すと大急ぎで車に乗り込んだ。
会場に付くと既にパレードは終わっており、大統領の演説準備が進められていた。
ナターシャとサーシャは会場の外を回って舞台の裏で待機。
芽依ちゃんと純君を守ってね。
芽依は純君を舞台の裏に連れて行き爆弾の解体。
私が陽動するわ。
新治さんはもちろん車で待機よ。
私たちが戻ったら追っ手は全て振り切ってね。
了解！
静乃の指示通り全員が散る。
外国人席は国民席より前にあるのでパスポートを見せ
ボディチェックを受ければ舞台に比較的近いところまでは行ける。
が、最前列は軍の要人及び国賓席なのでそれでも舞台から１００ｍ近くある。
両脇にはズラリと警備の兵士が並ぶ。
本日は我が国の国際式典にお集まり頂き誠にありがとうございます。
ミャンマー軍は国内外の驚異を完全にうち滅ぼす力を常に維持し続け…
静乃が辺りを伺っているうちにステイ大統領の演説が始まる。
双眼鏡で純の姿は確認出来た。
舞台に向かって右から三人目である。
無線で芽依にそのことを伝える。
大統領の演説が始まり１０分程程経った時、純の様子に変化があった。
お経を唱えるポーズをして微動だにしていなかったが、目を開けあたりをキョロキョロ見回しだした。
まずい！
じゃあ始めるわよ！
みんな準備は良い？
ＯＫ！
全員配置についたのを確認して静乃は席を立つ。
次の瞬間、常人とは思えないスピードで警備の兵士が持っていた
ハンドスピーカーを奪い取り、舞台から５０ｍ程のところまで近づく。
その舞台には爆弾が仕掛けられているわ！
みんな逃げて！
ハンドスピーカーを使い、ビルマ語と英語で叫んだ。
一瞬の静寂の後会場がざわめき始める。
何を言っているんだね君は！
ステイ大統領が突然乱入した静乃に怒りの口調で問い正す。
いいから早く逃げなさい！
静乃は尚も叫ぶ。
静乃はすぐさま銃を構えた兵士に囲まれた。
大統領付きのＳＰが大統領を囲み舞台から下ろす。
一瞬唖然としていた純は大統領の後を追おうとしたが、ＳＰに制止されその場で尻餅をついた。
間髪入れずに芽依が舞台袖から飛び出し、純を抱えて舞台裏に消える。
大統領がＳＰに囲まれ逃げる様子を見た観客が一斉に立ち上がり、我先にと舞台から離れる。
静乃の周りで銃を構えていた兵士も逃げる人波に押される。
その隙をついて静乃は人波に紛れて会場を脱出した。
その頃舞台裏では芽依の戦いが始まっていた。
ボディチェックを受ければ舞台に比較的近いところまでは行ける。
が、最前列は軍の要人及び国賓席なのでそれでも舞台から１００ｍ近くある。
両脇にはズラリと警備の兵士が並ぶ。
本日は我が国の国際式典にお集まり頂き誠にありがとうございます。
ミャンマー軍は国内外の驚異を完全にうち滅ぼす力を常に維持し続け…
静乃が辺りを伺っているうちにステイ大統領の演説が始まる。
双眼鏡で純の姿は確認出来た。
舞台に向かって右から三人目である。
無線で芽依にそのことを伝える。
大統領の演説が始まり１０分程程経った時、純の様子に変化があった。
お経を唱えるポーズをして微動だにしていなかったが、目を開けあたりをキョロキョロ見回しだした。
まずい！
じゃあ始めるわよ！
みんな準備は良い？
ＯＫ！
全員配置についたのを確認して静乃は席を立つ。
次の瞬間、常人とは思えないスピードで警備の兵士が持っていた
ハンドスピーカーを奪い取り、舞台から５０ｍ程のところまで近づく。
その舞台には爆弾が仕掛けられているわ！
みんな逃げて！
ハンドスピーカーを使い、ビルマ語と英語で叫んだ。
一瞬の静寂の後会場がざわめき始める。
何を言っているんだね君は！
ステイ大統領が突然乱入した静乃に怒りの口調で問い正す。
いいから早く逃げなさい！
静乃は尚も叫ぶ。
静乃はすぐさま銃を構えた兵士に囲まれた。
大統領付きのＳＰが大統領を囲み舞台から下ろす。
一瞬唖然としていた純は大統領の後を追おうとしたが、ＳＰに制止されその場で尻餅をついた。
間髪入れずに芽依が舞台袖から飛び出し、純を抱えて舞台裏に消える。
大統領がＳＰに囲まれ逃げる様子を見た観客が一斉に立ち上がり、我先にと舞台から離れる。
静乃の周りで銃を構えていた兵士も逃げる人波に押される。
その隙をついて静乃は人波に紛れて会場を脱出した。
その頃舞台裏では芽依の戦いが始まっていた。
