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静乃と新治 第三部 ~エピローグ

ステイ大統領の言葉通り、静乃たちが飛行機に乗るまで邪魔だてする者は全くいなかった。

それだけではない。

静乃たちが日本へ帰国してしばらくたったある日、今まで頑なに拒んでいた国際人権団体の入国と、
選挙監視団の入国をステイ大統領が認めたとの報道があった。

これで自国民への迫害がなくなり、公平な選挙が行われると世界中の国が評価した。

一方日本に戻って子細を龍之介に報告した純は、元通りハウスキーパーの仕事に戻り、
何事もなかったように日々を過ごした。

いや、ひとつ変わったことがある。

純と芽衣は龍之介に正式に報告し、婚約したのだ。

そして二人で休みを取り、婚前旅行としてシンガポールに旅立った。

目的のひとつはミャンマーにいる純の両親と芽衣の両親をシンガポールに招いて、正式に婚約の報告をすること。

もうひとつは芽衣の処女喪失のためである。

なんと芽衣はメイドでありながら龍之介とは関係を持っていなかった。

芽衣は日本有数の富豪の令嬢だそうだが、素行に著しく問題があるため、龍之介に預けられていたらしい。

他人の家でメイドをしているうちに礼儀作法、社会的な常識を学んで欲しいという思いだったのだろう。

考えてみれば芽衣は性格も容姿も全く龍之介好みではない。

そして更に驚くことに処女喪失の相手として選んだのは緋村だった。

純の居場所を教えて貰ってから、密かにメールのやりとりをしていたらしい。

もちろん緋村にしてみれば目的は芽衣でなく純のアナル処女を奪うことであったが、
芽衣も幼い体型をしているので、少年を抱くようでギリギリOKだとのことだった。

静乃が婚前旅行から帰って来た芽衣に真っ先に聞いたのは、両家の両親が
顔合わせした話でも何でもなく、まずは緋村の陰茎の太さだった。

やはり静乃の推測(?)通り標準より細かったとのこと。

只、純も芽衣も初めてだったので、却って良かったと喜んでいた。

また処女膜が破れて出血した時、それを純が献身的に舐めてくれたのが感動したと言っていた。

技術畑の純の両親と富裕層の芽衣の両親は全く価値観が合わなかったが、純の両親は息子が
選んだ恋人の両親として尊重し、芽衣の両親は両親で、じゃじゃ馬の跳ねっ返りだった芽衣が、
一生懸命純の両親に尽くしているのを見て感動したらしく、純の両親に最大限合わせてくれていたらしい。

また芽衣の母親は芽衣のそんな姿を見て嬉しくて号泣しまったそうだ。

あまりにも芽衣らしいエピソードで、聞いてた静乃は思わず吹き出してしまった。

今回は誰も傷つくことなく却って純と芽衣の絆が深まって本当に良かったと静乃は思った。

そして同時に亜利沙のことを思い出す。

仲間の死は二度と見たくない。

幸せそうな純と芽衣を見ながら、静乃は一層そう思った。

第三部完。




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