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アマゾネスの宴 <上>

201X年、■山さつき首班内閣のもとで、新たな女性解放運動が展開されることとなった。超党派の女性議員による法制検討委員会が高■早苗法務大臣を中心に組織された。彼女たちの活動は、家庭内での性的な不満足は女性としての人権に大きな障害となりうるのか否かという点から始まっている。やがて、短小被害という概念がつくられ、短小被害救済法の検討が始まった。この法案の骨子は、既婚女性が配偶者の短小を理由に、離婚請求が出来る内容であり、これが後々の婚外恋愛保護法へとつながった。

風評被害も生じた。■山さつき首班内閣ということもあり、かつての夫である元厚生大臣は、短小の烙印を押された。特筆すべきは、総理大臣からは何らコメントの無いなか、憶測が携帯電話のネット掲示板を通して広がった点にある。新しいマスメディアでもあるモバイル掲示板は、短小狩りと呼ばれる誹謗中傷の温床となった。公の場で短小でないことを実証出来ない事が、この風評被害を広めていった。こうした風潮の中、表立っての短小被害救済法への反対意見陳述はおのれの政治生命すらをも脅かすことになり、超党派議員団の当初の予測を上回るスピードで法制化が推進される結果となった。野■聖子厚生労働大臣の夫君のように、積極的に賛成にまわる男性議員も続出していた事も忘れてはならないだろう。しかし、女性議員もこの混乱に巻き込まれたことは記憶しておかねばならないだろう。辻■清美議員は、予算委員会にて、ある与党側の男性議員へ対して、「短小のくせに」と失言。懲罰動議に掛けられ、再び野にくだった。何も男性議員だけが損をした訳ではなく、男女問わず、政治の風が大きく揺らぎ、風に乗れた者とそうでない者に分かれたと言えた。

地方自治への影響も生じた事例もあった。東京都の石原■太郎知事は、上述の風潮を追い風に都知事の多選禁止を撤廃し、永世知事の可否を問う住民投票に賭けた。彼の有名な著作である「太陽の■節」では、ペニスを障子で破る場面があり、この箇所が力強いイメージを住民に植え付けた。一方、反対派は我慢汁で濡れたペニスであれば容易に障子など濡らし破ることが出来る点を訴求しきれなかった。あまりに品の無い反論に人々は反応しなかった。小説が選挙運動に利用されたという点では珍しい現象であったと言える。

法制化が迅速にすすめられた背景には、厚生労働省・経済産業省の両省庁による後押しも大きく影響した。短小風評被害や誹謗中傷は、省内での事務次官や局長クラスの人事抗争にも大きな波紋を広げ、■藤ゆかり経済産業大臣のように、事務次官候補では二番手であった赤黒局長の事務次官昇進を後押して省内意見の取りまとめを行わせた事例も出ていた。当初は、単に離婚訴求の理由の一つとして夫の短小を追加するに留まっていた短小被害救済法は、議員や官僚の間での派閥抗争の具になることで大きな変化を遂げていくことになる。単純な議員立法に留まらず、厚生労働省では優生保護法とのリンケージ案が検討され、経済産業業省ではJIS法への展開すら討議の的となった。



2000年頃から始った児童への包茎手術が急増しているニュースを新聞の家庭欄で読みながら、妻との待ち合わせ場所に向かった。今日は普段とは違う新しいイタリアンレストランで仕事後に食事をする。その店に向かう前に、駅の改札口から見える喫茶店で待ち合わせることになっていた。
落ち合う予定の喫茶店に約束の五分前に到着し、店内を見回すと一番奥のボックス席で妻が手を振って合図をしてくれた。妻の隣には見知らぬ男性が座っており、よく分らないままに会釈をしてから座席へ急いだ。ウェイトレスにアメリカンコーヒーを頼み、改めて正面に座る妻と見知らぬ男性を見た。妻が最初に口火をきった。
「紹介するね、この人が彼氏なの」
「はじめまして。」
妻の隣に座っていた見知らぬ男性が軽く会釈をした。妻の紹介に慌てた。彼氏?何の話だ?
「ちょっと事情が飲み込めないのだけど、何かの冗談かい?」
おしぼりで額に噴き出した汗を拭いながら尋ねた。
「だって、あなたは短小じゃない。」
店内の視線が自分に集中した感覚を覚えた。
「お、おい。ちょっと待ってよ。声が大きいよ。」
「あなたが聞こえないのかと思ったのよ。」
妻は極めて自然に、まるで次の旅行先を何処にするかを決めるような雰囲気で話を続けた。
「ここに署名と捺印をお願いね。」
婚姻の解消を届けでる書類をテーブルに妻は広げた。わたしの署名・捺印の欄だけが空欄になっていた。
「そ、そんな急に無理だよ。」
「それも、そうね。」
あっさりと妻はテーブルに広げた離婚届をたたみ直して、バックに仕舞い込んだ。妻の意図が分らなかった。単なる脅しなのか、本気で離婚を望んでいるのか。そして、立ち上がると僕と見下ろしながら言った。
「今夜は遅くなるから、先に帰っていて。」
妻の脇にいた男が二枚の伝票を掴むと、僕に軽く会釈をし、妻に腕を絡ませさせてレジへと向かった。
目の前に残されたアメリカンをしばし眺めていた。隣に座っていた男と再婚したいというのだろうか?子供達のことが気になった。まだ、小学校低学年と幼稚園児だ。父親が代わることを理解できるのだろうか?そもそも、僕は子供達に会えなくなってしまうのだろうか?もしかしたら、妻には離婚する気はないとも思えた。さっさと離婚届けをしまったからだ。結婚生活の継続に何かの条件をつけてくるのだろうか?あの男との恋愛を公認しろと暗に言っているのだろうか。混乱した頭のまま、喫茶店をでて家路へと急いだ。



■藤ゆかり経済産業大臣が二番手の事務次官候補を後押しして省内を取りまとめる一方で、野■聖子厚生労働大臣は、女性事務次官を5人抜きの大抜擢を行い、省内のキャリア組・ノンキャリア組を問わない巨根組とよばれる新勢力を省内に形成させてとりまとめを行った。両省庁では、両議員の因縁の対決に起因する代理戦争が行われ、其々から、短小規制の法制化についての先鋭化をかさねた。

赤黒通産事務次官は、平成の道鏡(注1)とも呼ばれた。■藤ゆかり経済産業大臣との緊密な連携を揶揄されたが、そんなゴシップをものともせずに、大臣の推薦による事務次官就任後には、一気に赤黒派による局長人事の一新が断行された。更迭された局長達は省内留まることも許されず、また天下り先の紹介すらされなかった。課長級人事には直接的な報復人事を行いはしなかったが、旧来の習慣や不文律を無視した冷酷な追い落としを行ったことで逆らう者はいなくなった。元々は、主流派の粛清を意図した人事であったが、対外的には清新人事と呼ばれ、■藤ゆかりの政治力評価と赤黒株の上昇に一役かった。

一方、野■聖子厚生労働大臣に5人抜きの大抜擢を受けた市川局長は初の女性事務次官就任後に、省内のキャリア組・ノンキャリア組を問わない新勢力を結成させた。従来の組織に頼った場合、何か事が生じれば報復を受けることが必須だった。省内では「お市の方」と呼ばれ、自らが局長クラス・課長クラスの独断人事を徹底的に行った。特に、ノンキャリア組から抜擢された局長達にとっては、千歳一遇のチャンス到来となった。「短小の癖に天下国家が語れるか!」と旧主流派を恫喝する者も現れた。しかし、新勢力が巨根組だの、勃起した宦官だのと呼ばれ、お市の方の近衛師団と呼ばれるに至り、三成のいない西軍との陰口が省内で囁かれるようになった。露骨な誹謗中傷による恨みを残した割りには旧主流派キャリアを完全に排除出来なかった為に、後難の種を自らがまいた。



郊外へと向かう私鉄に乗って1時間ほどの町に自宅はあった。5年前に他界した義父が、10年前に二世帯住宅を作り、そこに住まわせてもらっている。玄関とダイニングとリビングが共通スペースになっており、台所・風呂といった水周りの施設は個別に作られていた。
 帰宅すると、出迎えてくれた義母が子供達は既に寝入ったことを教えてくれた。どうしたの?顔色がすぐれないわね?と義母に尋ねられた。一瞬、今日のことを話そうかとも思ったが思いとどまった。まだ、何が事実で何が想像なのか自分の中で整理がついていなかった。なんにもまして、妻ときちんと話し合う必要があった。余計な心配を義母にはかけたくなかった。

着替え終わり、階下のダイニングに降りると、
「すぐ食事は出来るから、座って頂戴。」
義母はてきぱきと食事の用意をしてくれた。ご飯が並び終わり、麦酒と2つのコップをテーブルに置くと義母は対面に座った。麦酒を義母のコップに注ぐと、義母がお返しに麦酒を注いでくれた。
「何か、あったの?」
僕の顔を覗き込むように義母が尋ねてきた。
「えっ、いや。なにも。」
まさか、先ほど喫茶店で離婚届を突きつけられたとは言えなかった。義母と目線を合わせないように、お茶碗のご飯を口に運んだ。
「顔色が悪いわよ。なにか、悩んでいる感じ。」
義母の勘は非常に鋭い。覗き込まれると全てを見透かされてしまうような怖さすら感じる。箸が自然と止まってしまった。
「そ、そうですかね。変だなあ。」
どぎまぎしながらの返答は余計に義母の関心を煽るだけだが、どうにもならなかった。おかずの味も味噌汁の味も分らなかった。義母は料理がうまいので、夕食を用意してもらえる日は家庭料理を堪能できた。ちょっとした小皿でも手が込んでいて、だし汁のうまさが素材を盛りたてていた。それなのに、義母の手料理の味が全く分らなかった。動揺は見透かされていた。
「ついていらっしゃい。」
義母は一瞬、俯いてから僕に微笑みかけ、立ち上がってダイニングを出て行こうとした。
「は、はい。」
夢遊病にかかったかのように、義母について行った。義母は共有スペースであるダイニングの左側の出入り口から台所を通り抜け、洗面所の入り口を見ながら左側の階段を上った。二階には、洋間が二間あり、義母の部屋となっていた。僕は1階であれ、義母の生活空間に足を運ぶことはない。まして、二階には上ることが出来ない。
「早くいらして。」
階段の上から義母に呼ばれた。
「いきます。今、行きます。」
階段を上りきり、ドアの開かれた方の部屋へ入った。セミダブルのベッドが部屋の中央に置いてあった。シンプルな三面鏡と箪笥が一竿だけが部屋に据えられた家具だった。部屋は義母とは違う香水の匂いがした。

「入ってらっしゃいな。」
義母が小首を傾げて僕を室内に促した。
「お邪魔します。」
恐る恐る足を踏み入れた。ベット脇のゴミ箱がくるまったティッシュでいっぱいになっていた。潔癖な義母らしくなかった。
「この部屋に天野さんがいらっしゃるんですか?」
義母に尋ねた。

天野さんというのは、義母の彼氏のことだ。義母と同じ病院に勤める38歳の医師で、年齢は僕より5歳上だ。52歳になる義母からは14歳年下の彼氏になる。義父が5年前に亡くなってから3年程してからお付き合いが始ったと義母は言っていた。真偽の程は分らない。義父は入院生活が長かったし、夫婦仲も決して良いとは言えなかった。故に、もしかしたら天野さんと義母の関係はもっと昔から続いていたかもしれない。十年前、僕と弘美は、まだ学生だった。結婚など考えられもせずに交際をしていた頃から、義母の尚子は何も変わっていないように映る。現在、義母は52歳だが、40代前半に見える。十年前から綺麗なままで時間が止まっているようだ。綺麗さを保ち続ける秘訣と天野さんの関係をついつい邪推してしまう。

「あはは、違うわよ。」
義母は何を言い出すのかといった表情で笑った。
「この部屋には天野さんは来ないわ。隣が私の寝室ですもの。」
義母は続けた。
「てっきり、圭吾さんは知っているのかと思っていたわ。」
「ど、どうしてですか?」
「だって、よく階段下で聞き耳をたてているじゃない。」
義母は笑いながら辛らつな指摘をした。

天野さんと義母は仕事帰りに食事を一緒に済ませ、自宅に来て愛し合うのが常だった。二世帯住宅で義母は自分の生活スペースを使うのだから、どうこういう筋合いは無かった。しかし、家の造りは玄関が共有なので、天野さんの来訪は靴の有無で一目瞭然だった。僕が遅く帰宅した時には、玄関やリビングで天野さんと鉢合わせてしまうこともあった。ただ、天野さんを義母が連れてくるのはいつも十時過ぎだったし、天野さんが泊まって帰るのは常に早朝だったので、子供達と顔を合わせることはなかった。義母も、孫に彼氏を合わせるのは嫌がった様子だった。

ある晩、ダイニングで独りで晩酌をしている時に麦酒を切らしてしまい、義母の台所で麦酒を借りようとした事があった。その時、階段上から義母のすすり泣く声が聞こえてきた。玄関には天野さんの靴があったので、すすり泣きは愛し合っている声だとすぐに分った。バシン、バシンと叩く音、ううっと呻く声。更に、大きくバシン、バシンと何かを叩く音がした。そして、お赦し下さいとすすり泣く義母の声。パンパンという音が洩れてくる頃には、吼えるような声が漏れ聞こえた。ああっ、ひいい、好き好き、愛して、もっと頂戴、猥雑な単語が次々と漏れ聞こえてきた。イク、イクー、出して!中に出して!の叫び声を聞きながら、僕は股間を押さえたまま射精してしまった。それ以来、天野さんの来訪を僕も楽しみに待つようになった。

「ご、ごめんなさい。つい。」
「あら、厭だわ。別に怒ってはいないわよ。彼も聞き耳を立てられているぞって、興奮してくれるし。」
流石は勘の鋭い義母だ。全てお見通しだった。角に追い詰められて逃げ場が無い気分だった。
「圭吾さんはセックスの盗み聴きだけじゃないわよね。」
「は、はいっ?」
素っ頓狂な声をあげてしまった。一体、何がどこまでばれているのか分らなかった。
「全部、お見通しよ。洗面所の下着を悪戯しているのも。うふふ。」

義母は僕が洗濯機の上に脱ぎ捨てられたショーツの匂いを嗅いで悦んでいたことも知っていた。今にして思えば、悪戯しているのを知っていて、わざと洗濯機の上に脱ぎ捨てていたような気さえした。天野さんと愛し合う声を聞きながら、真っ暗な洗面所では僕は義母が脱ぎ捨てたショーツのクロッチを鼻に押し当てて、股間を掴みながら、尚子さん、尚子さんと、義母の名前を呼びながらオナニーを何度もしていた。全てが、ばれていたのだ。

「それより何か気づかないかしら。」
義母は部屋を見渡しながら言った。
「部屋の香り。香水ですか?」
恐る恐る答えた。
「当たり。いい鼻をしているわね。だてに、私の下着を嗅いでいないわね。」
「お、お義母さん。もう勘弁してください。」
「あはは。ちょっと意地悪だったかしら。」
何も言い返す言葉は見つからなかった。盗み聴きはばれるし、下着への悪さもばれていた。

「あの箪笥の引き出しを開けて御覧なさい。」
義母に促されて箪笥に近づいた。
「上から二段目を開いてみて。」
義母に言われるままに、二段目の引き出しを開けた。今までに見たことのないカラフルな下着のセットが綺麗に並べられて収納されていた。
「何か気が付いたかしら?」
義母は微笑みながら尋ねた。
「ブラ。ブラのサイズが小さいですよね。」
「当たり。さすが、下着好きの圭吾さんね。」
「その下着の件は謝ります。もう赦してください。」
「うふふ。からかい甲斐があるわねえ。」
義母も箪笥まで近づいてきて、青い総レースのブラジャーを手にとって、タグを僕に見せた。義母はEカップだが、このブラはAカップだった。
「これ、お義母さんのブラじゃないですよね?」
「そうよ。」
義母はにやりと笑って、今度は一番上の引き出しを開けた。ずらりと様々なバイブが並んでいた。まるで500mlのペットボトル程の太さのデュルドもあった。細いバイブは1つだけあったが、珠がつながったような不思議な形をしていた。義母は何も言わずに一番上の引き出しを閉め、僕の手から青いブラジャーをとり、元の位置に戻すと二段目の引き出しもしめた。僕の目を覗き込むように義母は言った。
「ここ、弘美の部屋よ。」
「ええっ。どういうことですか?」
「そういう事よ。」
義母は微笑みながら話を続けた。
「この部屋は弘美が恋人と使っている部屋なの。今日、会ったのでしょ?」
暫し絶句したまま、言葉が出てこなかった。

「お、お義母さんも離婚に賛成なんですか?」
「あら、厭だ。勘違いしないで、圭吾さん」
義母は僕の両手をとり、握り締めた。
「わたしは、弘美の離婚には賛成しないわ。ただ、圭吾さんには弘美の好きなようにさせてあげて欲しいの。」
「ど、どういう意味ですか?」
ベッド脇にあるゴミ箱がくるまったティッシュでいっぱいになっているのが再び視界に飛び込んできた。
「由香と美香には、あなたみたいな優しいパパが必要よ。だから、わたしは離婚には賛成できないの。」
「は、はあ。」
何か釈然としないまま、義母の話に耳を傾けた。
「圭吾さんは、由香と美香にとって大切な人よ。優しいだけでなく、時には厳しく躾をしているわ。感心しているの。本当よ。」
「お義母さんは離婚には反対なんですよね?」
義母の真意がつかめないままに問うた。
「勿論よ。」
「それを聞いて、安心しました。じゃあ、弘美を説得してくれますね?」
「何を?」
「何をって、離婚も不倫も考えなおしてもらうって事です。」
「どうしてかしら?」
義母が何を考えているのか全く分らなくなった。頭を抱え込んだまま、膝をついて床に座り込んでしまった。

一呼吸の間をおいて、義母は僕を見下ろしたまま話し始めた。
「弘美だって、一人の女だわ。それとこれは別よ。」
「どういう意味ですか?」
「圭吾さんが弘美を女として満足させてないのがいけないのよ。」
「ぼ、僕が悪いんですか?何ですか?」
「妻が恋人を求めたのが何故だか、圭吾さんは自分と向き合うべきだわ。」
「そんなの無茶苦茶です。ぼ、僕だって一生懸命に出来ることをしています。」
「父親としては合格よ。圭吾さんみたいな優しい理解のある父親は、そうはいないと思うわよ。」
「だ、だったら・・。」
僕の話を義母が遮った。
「妻が恋人を求めたのが何故だか、圭吾さんは自分と向き合うべきだわ。」
もう一度、同じ台詞を繰り返した。僕の頬をいくつもの涙が伝わっては落ちていた。座り込んだまま、動けなかった。

「もう、話は済んだかしら?」
部屋の入口に、妻が腕組みをして立っていた。僕は無言で肯いた。妻は微笑みながらバックから離婚届けを取り出して引き裂いた。それは妻が僕に歩み寄ったのでなく、僕が妻に歩み寄ったからだった。妻は、恋人と過ごす部屋を手に入れた。


下巻に続く




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