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アマゾネスの宴 <下>

短小被害救済法の施行から5年の歳月が流れた。

この法律により、妻側からの離婚請求に対して、短小であることが離婚を成立させる要件して公に認められるようになった。離婚に関わる新しい法律の制定と並行して、結婚に関わる新しい法律も制定された。はじめに、結婚相談所を規制する新たな法律が作られ、経済産業省の営業認可のもとに同サービスが行われることになった。離婚の条件になる以上、結婚相談所は短小男性を紹介すべきではないという風潮を背景に、短小の紹介は瑕疵案件になりうるとの見解を経済産業省は提示した。注目すべき点は、本来なら機微なる個人情報であるべき短小というプライバシーが瑕疵とみなされたことである。これにより、結婚相談サービス各社は男性会員の登録について、勃起時のサイズを重要個人情報として記載し、管理せざる得ない状況になり、ひいては経済産業省に権益を生ませる結果を招いた。なぜならば、勃起サイズという重要個人情報管理はオンラインによる一元管理以外にありえないという主張をベースに、ネットワークシステムに関する許認可権を経済産業省が拡大させたからだ。この省益に貢献した平成の道鏡は、赤黒一派を経済産業省内部の主流派として地位を強固にし、外郭団体を含めた組織の既得権をゆるぎないものにした。■藤ゆかり経済産業大臣の後任となった初入閣の経済産業大臣は、赤黒一派を軸とした政策運営の後押し以外に、何も選択肢を持たなかった。

一方、厚生労働省では優生保護法とのリンケージは流石に世論を味方につけることが出来なかった。妻である女たちのなかには、男の子の母親たちも大勢いた。夫はともかく、自分の息子には出来る限りのことをしたいと願うのが親心だからだった。反市川派は、行き過ぎた政策案提示による社会的混乱の責任を事務次官にあるとした。お市の方辞職による解決を画策し、見事にクーデーターを成功させた。更に、未成年に対する包茎手術については健康保険の適用という施策案を野■聖子厚生労働大臣の後任着任時の手土産として、その見返りとしての従来のキャリア組中心の組織を取り戻した。後任の高■早苗元法務大臣は、法務省担当時代の短小被害救済法の成立と厚生労働省の混乱の収束をアピールし、ポスト■山とさえ囁かれるに至った。尚、厚生労働省内で負け組となったノンキャリ官僚は執拗な報復の対象となり、自殺に追い込まれたという報道は3件もあった。

■藤ゆかり元経済産業大臣は、この時点では官房長官となり、■山さつき側近グループの主要閣僚として、新たなプロジェクトを指揮していた。国民のプライバシーから資産状況に至るまでのデーターベース化を、「社会保障と税務の一元化」という表現にてスローガンを掲げた。かつては、国民総背番号制度と呼ばれた施策を政府が推進しやすくなる社会状況が生まれた。■藤ゆかりが経済産業大臣時代に築いた電算システムは大いに役立ち、社会保障ナンバーを各国民に割り振り、データー構築が容易に行われた。ここにおいて、日本の家制度は完全に崩壊し、戸籍の制度自体も無意味なものになり姿を消した。同時に、結婚、離婚、再婚のサイクルによる家族の流動化は進み、20年前の米国同様にStep familyは当たり前の家族形態となった。余談だが、某不動産会社は継母、継子の代わりに盛んにステップという言葉が氾濫するようになった為、彼らがキャッチコピーに使っていたステップという言葉を住み替えと変更させた。何を商売にしているか、イメージが不透明になってしまったのであった。

五年の月日が流れ、長女の由香は小学校6学年になり、次女の美香は小学校4学年になっていた。由香は中学受験を控え、美香は受験準備を始めていた。そして、長男の康太は2歳の誕生日を迎えていた。男の子は母親に似るという話は本当だ。弘美にそっくりの男の子だった。涼しげな目元としっかりとした意思を感じさせる口元は、まるで妻の顔をコピーしかのように似ていた。

初めて康太の妊娠を妻から告げられた時、僕は困惑し苦悩の日々を過ごした。5年前からセックスレスとなっていた僕は、妻が懐妊した子供の彼の父親ではなかった。妻は穏やかに、しかし、確固たる意思を持って子供を生むと宣言した。僕が本当に恐れていたのは、妻から離婚を持ち出されることだった。妻のお腹が週ごとに膨らむなか、赤ちゃんの父親になる決心を少しずつではあるが固めていった。妻と娘たちと一緒に暮らし続けるには方法がなかった。

父親は女性と違い、胎内で子供を育てるという期間を持たない。妻が産んだ赤ちゃんを自分の子供として迎え入れるだけだ。乱暴な言い方にはなるが、父親になろうと努力すれば、男は父親になれると言えた。弘美が30週を迎える頃には、僕は妻の胎内にいる赤ちゃんの父親になる決心をかためた。生まれてきた赤ちゃんには、康太と名づけた。弘美は母乳が出ないので、ミルクでの授乳を手伝うことがままあった。オムツの交換も僕は拒まなかった。康太の育児に積極的に関わることが、僕は康太の父親になる努力だと信じていた。由香と美香が赤ちゃんだった頃、僕は育児に協力的な夫ではなかった。仕事の疲れを言い訳にしていたと思った。しかし、康太と出会い、父親になる努力をする中、僕が由香と美香の育児にもっと関わるべきだったと後悔した。あまりにも大きな宝物を失っていたと、後から気づかされたのだった。

康太が二歳になる頃には、由香は中学受験を控えて塾通いが忙しくなった。美香も姉と同じ塾に入り、中学受験の準備を始めた。彼女たちの受験を少しでも応援することが僕の罪滅ぼしになると考えていた。久しぶりに開く小学校の教科書を眺め、彼女たちの塾での予習と復習を手伝った。姉たちが机に向かい、僕は二人の勉強をみていると、康太は僕の脚によくじゃれついてきた。康太を抱き上げ、由香と美香を交互に見ながら勉強を教えた。抱きかかえられた康太は姉たちにかまってもうらおうと手を伸ばしては、耳をひっぱるだの髪に触れるだのしていた。由香も美香も勉強の途中に康太とじゃれるのが良い息抜きになっていた。
週末になると由香と美香を塾へ送り迎えしていたが、康太も一緒に連れて歩いた。娘たちが授業を受けている間、近くの公園脇に車を停め、康太を遊具に乗せてあげたり、砂遊びを一緒にした。ちょこまかと公園内を歩き回り、少しずつ言葉らしきものを覚えていった。人間であれ、動物であれ、赤ちゃんは加護を受ける為に愛らしく生まれてくるという。そんな言葉を実感していたし、康太を娘達と分け隔てしたりはしなかった。父親になろうとする努力が大切だったのだと思った。

義母は、そんな僕を理解してくれたし、立派な父親だとよく誉めてくれた。50代後半になっても義母は美しく華やかで綺麗な女でいた。弘美にも綺麗でいて欲しいのなら、邪魔をしてはいけないと義母によく言われた。恋人との時間を持つことが綺麗でいようとするエネルギーになるのだと言っていた。僕自身、弘美が綺麗でいることには大賛成だった。ただし、弘美は維持しているその綺麗な裸を僕には見せなくなっていた。そのくせ、目の前で着替えたりした。そして、普段の下着姿を見せつけることはあっても、彼との勝負下着姿をみせることはなかった。

妻の彼は夜の十一時過ぎに来訪するのが常だった。子供達は子供部屋で寝息を立て始めると、妻は夫婦の寝室で着替えを始めていた。その晩も、僕に背中を向けたままで、妻はセーターを脱ぎ、長袖のシャツを脱ぎ、ジーパンを脱いでしまった。ベージュのブラとショーツだけの姿になっていた。レースもフリルも模様もついていないシンプルな濃いベージュの上下を着ていた。ショーツは腰まわりが浅くなっており、ハングアップのジーンズでしゃがんでもはみ出ることのないデザインだった。

僕がぎらついた視線を当てる背中からブラが外された。床に、シャープなラインをもったAカップのブラが落ちた。そのまま、すっぽりと妻はミニのワンピースを被り、体を覆った。今度は、スカートの中に手を入れてショーツをひき下ろした。こうやって、妻は普段の下着だけを見せ付ける。そして、勝負下着の着用姿を僕には見せないように、白い総レースのタンガに脚を通して、スカートの中まで引き上げた。僕はベッドに腰掛けて黙ったまま見つめるしかなかった。硬くなった股間は自分で処理するしかなかった。鏡台でメイクを整えた妻が寝室から出ていこうとした時、自制できなくなった僕は背後から妻の両肩をやさしく捕らえて軽く抱きよせた。

「いい香りがするよ。」
妻の首筋に鼻を埋めた。
「圭吾も、この香りが好きなの?」
「うん。ドキドキする香りだよ。弘美の香り。」
妻の腰に硬くなった股間を押し付けた。
「オイタしちゃ、ダメよ。」
妻は腰をくねらせて逃げようとした。
「ダメなの?」
反対側の首筋に鼻を埋めて、妻の匂いを嗅いだ。
「そう。ダメなの。」
妻は、肩から鎖骨をなぞろうとする僕の指を制しながら言った。

「どうして?」
諦めきれない僕の指は腰をなぞろうとした。
「彼に悪いわ。」
妻は僕の指を押し戻すように制した。
「彼にしか、弘美は裸を見せないの?」
ワンピースの腰に浮かぶショーツのラインを僕の指がなぞった。
「ごめんね、圭吾。彼を愛しているの。」
振り返った妻は、軽く微笑むと部屋を出て行った。

独りで部屋に残された後、脱ぎ捨てられたベージュ色のショーツを拾い、クロッチを顔に押し当てた。弘美の匂いを鼻腔いっぱいに吸い込み、ショーツが弘美の女の露で濡れているのを確認した。妻が脱いだ普段穿きのショーツが濡れている時、妻に触れることなく、ここまで濡らさせてしまう男に嫉妬をいつも感じた。

女の体は鍵の掛かった箱だ。それも強固な蓋を持つ箱だ。特定の男しか、その蓋を開ける鍵を持たない。鍵を持つ者には女は優しい。その男には、尽くし、従おうとする。鍵の持ち主に出会うと、硬い蓋を自ら開けんが如く、箱の中身が隙間から絶え間なく漏れ出てくる。昔、僕も弘美の鍵を持っていた。今は、その鍵は僕の手中にはない。

家の前でバイクのエンジン音が止まり、やがて玄関の扉が開け閉めされる音がした。妻の彼がやってきた。階下から妻の笑い声が聞こえてきた。妻にとって、楽しい時間だというのが良く分った。ゆっくりと寝室の戸を閉めて、音が聞こえてこないようにした。それでも、妻たちが階下のリビングにいる時には、かすかな音がもれ聞こえた。何を話しているかまでは分からないが、楽しそうな嬌声が漏れてきた。妻の彼がデートに訪れるときに、僕は共有スペースにも顔を出さないようにしていた。彼と顔を合わせたくなかったし、妻のプライベートな時間なのだと割り切らないことには辛すぎたからだ。

やがて、階下が静まりかえってから僕らの台所に降りていった。共有スペースのリビングに置いてある飲み残されたビールのグラスを片付けた。ソファはぬくもりを残していた。そのソファの上でじゃれあっていたのかと思うと、胸がかきむしられる思いがした。デートの準備で濡れたショーツを嗅ぐ以上の辛さをこういう時に感じた。反対側の二階にある弘美の部屋では既に恋人同士のセックスが始まっていただろう。その証拠をつきつけられる辛さがあった。もう、弘美は僕とはセックスしてくれない。妻が愛しているのは彼だけだし、彼しか男として妻の視界には入っていないことを痛切に感じた。

そっと、義母と弘美の部屋がある側の階段下へ行っても、弘美の声は洩れてこなかった。義母は自分たちのセックスを僕に聞かせる為に戸を開けて愛し合うが、妻は必ず戸を閉めて音を遮断していた。万が一、夜中に起きてきた子供達に声が聞こえたらまずいと妻は言った。でも、本当の理由は、僕に恋人同士のセックスを聞かれたくないからだった。妻と彼は、まずはセックスしてから階下の浴室に一旦、降りてくる。はちあわせをせぬよう、僕は共有スペースを離れ、自室に戻った。そして、妻が脱いだ模様も飾りも無いシンプルなデザインのベージュ色のショーツを再び嗅ぎながら自慰をした。ズボンとパンツを脱ぎ去り、下半身裸になって、クロッチの大きな染みに鼻を押し付けた。息を吸い込み、牝の香りを鼻腔の奥深くまで吸い込んだ。弘美が、彼に恋焦がれながら流しだされた汁だった。舌先で弘美の垂れ流した汁の味を確かめた。
右手で僕はオチンチンを扱き続けた。
「弘美、弘美、弘美っ!」
と、妻の名前を何度となく呼びながら僕は果てた。



立法、行政に限らず、司法の場でも変化は起き始めていた。短小夫達による短小被害救済法の差し止め請求について集団訴訟が起こされていたが、世論は彼等に冷淡だった。プライバシー保護の為に目だし帽を被って入廷していく様子が報道される都度に、顔まで皮被りと小馬鹿にされた。一審の司法判断は世間の変化に沿った内容だった。短小男は、生存権はともかくとして、社会権にある程度の制限を受けるのはやむを得ないという判決が下された。原告団は解散となり、離婚をつきつけられた男たちの法廷闘争は幕を閉じた。

世論が彼らに冷淡だったのは、なにも短小であるからだけではなかった。恋人同士でのDVや別れ話がこじれた際の凶悪犯罪が若い世代を中心に増加傾向にあったのだ。若い男女が交際をはじめ、いざベットインした際に短小に気が付いたケースは多かった。彼女らは穏便に別れ話を切り出すが、男は簡単には応じなかった。じわりじわりと男性の未婚率があがってきたデーターにも示されていたが、短小男が結婚するには恋愛を成就するしかなくなっていた。既に結婚相談所ではお見合いすら出来なくなっていたのだから。そういった背景からも、別れ話がこじれ、女性が殺される事件は後を絶たなかったし、DVやストーカー行為による被害も相当数あったと思われた。これらの事件がテレビや新聞で報道される度に、短小男を掴まされると危ないという風潮が出来上がっていた。偏見ではあるが、感情を十分に刺激するだけの事件数が報道されており、仕方のないことであった。

短小男による凶悪犯罪が微増していく中、若年層の男性が自殺するケースも微増していた。特に、高校での虐めは聞くに堪えない酷さがあった。虐められた男の子は無理やりに下半身を露出させられて携帯電話などで撮影された上でネットの画像掲示板などに本名を含め晒された。敏感な年頃には耐えらない過酷な虐めだった。息子を失った親たちの悲しみと犯人達への怒りはどれほどのものだったのだろうか。想像を絶する苦しさがあったと思われる。当然のことながら、民事裁判では原告勝訴が相次いだ。短小だから死んでもよい等とは誰も思わなかった。

性器を増大させるとうたった怪しげな通信販売や詐欺まがいの商売も増えた。悩んだ末に駆け込んでくる短小男たちは食いものにされた。さすがに成人男性の被害はなかったが、若年層には社会問題化するほどの被害がでた。大人は、そういった類の事務所とコンタクトすること自体が自分が短小であると告白するも同然だと考えた。しかし、部活動の合宿や修学旅行を控えた少年たちにはそこまでの考えはなかった。短小者名簿に記載されないように手はずを整えるという理由で脅迫された事件が多々生じた。なかには、自宅から二百万円もの大金を持ち出した例もあった。その少年の場合、大金を持ち出した後に自室で首吊り自殺を図り、若い命を散らせてしまった。この事件では、脅迫グループ全員が三日後には逮捕され、主犯格の3名には死刑が求刑されていた。高等裁判所までスムーズに裁判はすすんでおり、最高裁判所でも情状酌量の余地なき悪質な犯罪として誰もが死刑を予期していた。

統計には表れない為、増減については真実は分からない。しかし、ネットの世界での母子相姦サイトは増えていたように思えた。結婚できない息子に同情して、母親が体を許すといった内容のコンテンツが多く見受けられた。婦人雑誌でも母子相姦告白特集が組まれることもあった。女として短小男と付き合うなど考えたくもない事だが、愛するわが子が短小となると話が違うという言い分が多かった。そういった記事を読んだ時、行き場を失った母子たちを思うと僕は気の毒に思えてならなかった。



妻の彼は、子供達が起きる前に帰っていくのが常だった。早朝、バイクのエンジン音で僕は目覚めた。枕もとの時計を見ると、まだ5時半だった。土曜日の朝で、僕は仕事が休みだったが起き上がることにした。着替えて階下に下り、朝の身支度を済ませた。子供達が起きてくる迄は、まだ二時間はあった。共有スペースのダイニングへ入ると、天野さんが眠たそうな目をしながら二つのコーヒーカップを片付けている最中だった。

「あ、おはようございます。いらしてたんですか。」
タオルで僕は顔を拭きながら、天野さんへ話しかけた。
「おはよう。急に呼び出しをくらってしまい、やっと解放してもらえたよ。」
笑いながら、二つのカップをキッチンへ運んで行った。
「カップは置いておいてください。それより、コーヒーでも飲みますか?」
天野さんの後を追いながら、僕もキッチンへ入っていった。
「うーん、僕はコーヒーは遠慮しておくよ。」
天野さんは二つのカップを洗いながら答えた。
「もう飲んだんですか?」
「いや、このカップは違うよ。弘美さん達じゃないかな。さっき、すれ違ったよ。」
天野さんはシンクに目を落としたまま、答えた。
「そんな、自分で飲んでもいないコーヒーカップは置いておいて下さい。僕が洗いますよ。」
恋人と飲んだコーヒーを飲みっぱなしにしている弘美に少々腹だたしい思いがした。しかし、妻の彼に対する怒り程ではなかった。妻の彼の態度に傲慢さを感じた。やはり、僕はあの男を憎んでいると思った。
「あはは、もう終わっちゃったよ。」
天野さんが笑いながら振り向いた。
「じゃあ、一眠りする前に缶ビールでも飲みますか?」
冷蔵庫から僕はビールを取り出して天野さんへ手渡した。
「これはありがたいな。悪いけど、頂くよ。」
プルリングを引き起こし、天野さんは美味しそうにビールの最初の一口を喉に流し込んだ。僕は目覚まし用に自分のコーヒーをいれ、ダイニングの椅子に腰掛けた。

「弘美は上に上ったんですかね。」
僕はコーヒーにミルクを少々加えながら尋ねた。
「多分、二度寝しに戻ったと思うよ。僕が入ってきた後に二階に行ったからね。」
天野さんは、最後の一口を飲み終えて、空き缶を水道で注いだ後にゴミ箱に捨てた。
「じゃあ、悪いけど、僕は上で一眠りしてくるから。」
天野さんは立ち上がると、二階にある義母の寝室へと向かっていった。

僕は人の好い天野さんには好意的だ。細かなことに気が回る人だ。しかも、僕にはプレゼントまでしてくれる人なのだ。義母と弘美の寝室がある二階へのびる階段下に行くと、案の定、義母の悶え声が聞こえてきた。つい1時間前まで仕事し、麦酒まで飲んでいながら、天野さんはタフだと思った。

義母も天野さんも自分たちのセックスを聞かせて興奮する性癖があった。寝室の戸は閉めていないだろう。パンパンという音が聞こえる中、二人の声も階下まで聞こえてきた。
「どうだ、尚子。気持ちいいか。」
「き、気持ちいいです。ああっ、いい。」
「朝からチンポを欲しがるだなんて、いやらしい女だな。」
「い、いやあ。言わないで。あっ、あっ、変になっちゃう。」
パンパンという音がひときわ大きくなる度に、義母の嗚咽も大きくなった。
「そんなに悶えていると聞こえちゃうぞ。」
「やめて、言わないで。ダメ。ああっ、いい。」
「弘美ちゃんにも圭吾くんにも聞かれちゃうぞ。」
「ああっ、いい。いいの。もう駄目。聞こえてもいい。」
「やらしい女だな。バック大好きのセックス女ですと言ってみろ。」
「だめよ、そんな。言えない。ああっ、いい。で、でも、言いたい。ダメ、変よ、わたし。」
「言えないなら抜いちゃうぞ。いいのか、淫乱ちんぽ好き女!」
「やだやだ、抜いちゃ厭。絶対、抜かないで。言うから、バック大好きのセックス女ですって言うから。」
「もっと大きい声で言えないなら抜いちゃうぞ。」
「ああっ、な、尚子はバック大好きのセックス女ですう!!」
一段と激しく肉と肉がパンパンとぶつかり合う音が大きくなったように思えた。
「いいのっ、尚子はセックス大好き!もっと、もっと、沢山してください!!」
「ほら、ちゃんと聞いてくださいってお願いしてみろ。」
「ああっ、聞いて!尚子のセックス聞いて!いやらしい女なの、本当は淫乱女なの!」
すぐに、イクッ!イクぞっ!という二匹の獣の咆哮が聞こえ、静寂が訪れた。僕は、パンツの中に入れた右手でオチンチンを握り締めたままで射精をした。べっとりとした汚れを落とすために、自分の浴室へ向かった。

汚したズボンとパンツの下洗いを終えて寝室に戻った時、ベットサイドの時計は6時半前だった。土曜日の朝は、子供達が寝坊するので、まだ朝食には一時間半はかかる時刻だった。着替えを終えた時、寝室のドアがノックされた。

「圭吾さん、今、大丈夫かしら?」
義母の声が聞こえた。
「どうぞ。」
戸を開けると朝のお風呂を終えた義母が髪にタオルを巻き、バスタオルだけで体を覆った姿で立っていた。
「お風呂、終わったからよろしくね。」
義母の鎖骨に赤紫色した大きな斑点が散りばめられていた。
「は、はい。すぐに洗ってしまいます。」
僕は、どぎまぎしながら視線を泳がせた。
「さっき、聞こえた?」
義母は意地悪な質問をして、階下に下りていった。

二世帯住宅の玄関から向かって左側は義母の生活スペースとなっており、二階にある二部屋は義母の寝室と妻が恋人と過ごす部屋になっていた。僕は階段を上ることは許されていなかったが、浴室と洗面所には入ることが出来た。義母も妻もわざと汚れた下着を洗濯機脇の籠に放り込んでおき、僕に下洗いをすることを許してくれた。そして、義母と妻が使う浴室の掃除は僕の仕事だった。大きなエアマットがひいてあり、真ん中に大きな溝を持った浴室の椅子が置いてあった。浴室の棚には、彼女たちのボディシャンプー、シャンプー、リンスと一緒に海草ローションも置かれており、そのローションを切らさぬように補充するのも僕の役目だった。義母が戸をノックした20分後には、全ての作業を僕は終えた。そして、階上の義母に掃除が終わったことを告げた。

今朝のようにセックスを聞きながら射精した時は別だが、義母は浴室掃除の後に、ご褒美と称して彼女のヌード写真を集めたアルバムを半時間ほど、貸してくれる事があった。そのアルバムの中には、一枚だけ母娘が並んで立つヌード写真が貼ってあった。義母の話では、妻の彼が撮影したらしい。階段下から見上げるアングルで、全裸の二人がはにかみながら両手を軽く後頭部で組んでいる写真だった。両手を組んでいるため、二人共、脇が見えており、ふさふさと腋毛が繁っていた。毛質が同じらしく、長く太く伸びた腋毛は瓜二つとも言えた。二人の乳房や股間の違いが良く見えた。義母はEカップで張りのある巨乳だった。こぶりで薄茶色の乳輪の上に大きめの乳首がのっていた。妻はAカップの小さな丘を胸にのせていた。乳房の形、即ちアンダーバストから乳首に向かう膨らみのラインは母親とそっくりだった。そして、母に似たこぶりで薄茶色の乳輪の上に大きめの乳首がのっていた。股間は大きな違いがあった。義母はビキニラインを手入れし、短く刈り込んだ陰毛を裂け目の上に飾っていた。一方、妻には陰毛が一本も生えていなかった。抜き取ったのであろうか、滑らかでスベスベにみえる恥丘と亀裂をみせていた。亀裂からはみ出ているラビアが猥雑だった。そのアルバムを貸して貰える時、義母と妻の洗面所の籠から下洗い前のショーツも一緒に借りて、自分の寝室でオナニーをした。義母と妻の汚したショーツを数枚づつベットの上に並べ、一つ一つのクロッチの匂いを嗅ぎながら、母子のヌードを見ながらオチンチンを扱いた。3分もしない内に射精は訪れる。毎回、妻の脱いだショーツのクロッチを嗅ぎ、妻の名を連呼しながら果てた。

アルバムを義母に返す時には、いつも義母から同じ質問をされた。
「今日もあの写真を見たの?」
義母が意地悪な質問をした。
「は、はい。二人とも綺麗だし。」
「どっちが綺麗?」
「そ、そんな。二人とも綺麗なんです。お義母さんには華があるし、弘美には清楚な淫靡さがあります。」
「まあ、上手に逃げたわね。」
毎回違う僕の言い訳を義母は笑いながら聞き流していた。



次女の美香が長女と同じ私立女子中学校に進学した頃、由香は中学3年生になっていた。エスカレーターで進学できるので、部活の為に学校に行っているのではないかと思える位にのんびりしていた。康太は幼稚園の年少組に入っていた。娘たちは思春期になり、扱いに困ることが多少はあったが家族の会話が途絶えるようなことはなかった。わんぱくな康太を真ん中に座らせて、いつもにぎやかな食卓を囲んでいた。時には、その食卓に天野さんが加わることもあった。義母は還暦が目前と信じられない位に若々しかった。妻も綺麗なままであったが、綺麗さの中身が変わってきていた。

恋愛には賞味期限がある。いつかは相手に飽きる時がやってくる。妻も例外ではなかったようだ。ある日、突然に妻は髪を短くし、服装も短いスカートからパンツルックへと変わっていった。メイクも変わったように思えた。おそらく、眉毛の描き方と口紅を変えたのだと思った。妻の変化は僕の元に戻ってくる為の変化ではなかった。妻は、一度取り上げた鍵を再び持たせてくれる女ではなかった。しかし、僕が憎んでいたあの男が弘美を開く鍵を失ったことははっきりしていた。それだけで、僕は満足できた。

暖かい陽気に包まれたある日曜日の午後のことだった。庭先にあるベンチに妻と並んで座り、紅茶を飲んでいた。紅茶を一口飲んだ妻が僕の肩にもたれかかった。以前の香水は匂わなかった。弘美の髪の匂いを嗅いだ。日差しに照らされて温まった髪が、僕の鼻先にほんのりとしたよい香りを運んだ。妻と僕は黙ったまま、並んで座っていた。妻には、肩に頭をもたれかけさせたままにしていた。僕は弘美を愛していると実感していた。例え、セックスレスでも、こうやって穏やかな時間を一緒に過ごせることが大切に思えた。

やがて、妻は顔をあげて僕の顔を覗き込むように言った。
「赤ちゃんができたの。いいでしょ?」
僕には選択肢は一つしかなかった。
「今度は、男の子かな?それとも女の子かな?」
弘美のお腹をそっと撫でながら、僕は妻の問いに答えた。








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