静乃と新治第六部 ~本当の強さ
あ~れ~!
助けてぇ~!
静乃たちがオスプレイに戻るとバイブを挿れられたアメリアがわざとらしく叫んでいた。
…どう?
変わったことはなかった?
後部座席にフランソワを寝かせ、静乃がコックピットに入って来る。
変わったことと言えばあれかな?
新治が指差す方を見ると洞窟があった小山が全て陥没していた。
あら随分派手に証拠隠滅してくれたわね。
まあでもあれではさすがの強化人間も助からないだろうから手間がはぶけたわ。
で?
この娘はどうしたの?
静乃さんたちが出て行った後、新治さんが豹変して、私をバイブで散々嬲って…
と、いうことにしたかったらしいよ。
…つくづく残念な娘ね。
まあでも麻痺剤は助かったわ。
これって持続時間はどのくらい?
…さあ?
「さあ?」ってあなた!
テストしてないの?
呆れた顔で静乃が言う。
ご、ごめんなさい!
今度幸人さんとすることがあったら使おうと思っていたので…
ほらっ!私幸人さんに捨てられてから日照り続きで…
アメリアは必死に言い訳する。
…実験台にされたわけね。
まあ良いわ、ナナか十三で毒味ならぬ毒試ししてから夜伽に戻るわ。
助けてぇ~!
静乃たちがオスプレイに戻るとバイブを挿れられたアメリアがわざとらしく叫んでいた。
…どう?
変わったことはなかった?
後部座席にフランソワを寝かせ、静乃がコックピットに入って来る。
変わったことと言えばあれかな?
新治が指差す方を見ると洞窟があった小山が全て陥没していた。
あら随分派手に証拠隠滅してくれたわね。
まあでもあれではさすがの強化人間も助からないだろうから手間がはぶけたわ。
で?
この娘はどうしたの?
静乃さんたちが出て行った後、新治さんが豹変して、私をバイブで散々嬲って…
と、いうことにしたかったらしいよ。
…つくづく残念な娘ね。
まあでも麻痺剤は助かったわ。
これって持続時間はどのくらい?
…さあ?
「さあ?」ってあなた!
テストしてないの?
呆れた顔で静乃が言う。
ご、ごめんなさい!
今度幸人さんとすることがあったら使おうと思っていたので…
ほらっ!私幸人さんに捨てられてから日照り続きで…
アメリアは必死に言い訳する。
…実験台にされたわけね。
まあ良いわ、ナナか十三で毒味ならぬ毒試ししてから夜伽に戻るわ。
現場を後にした静乃たちは空港で麻里と咲たちと合流する。
アンドラ公国は警察長官がクローンとすり替わっていることが後に判明した。
…というわけで隼人さんのクローンを生け捕りには出来ませんでした。
ですが最後の「ブラーケン様!」と言う叫びが気になります。
私たちの細胞を持って行った研究者風の小男が見当たりませんでしたので、あるいはその男が黒幕かも…
うむ…半年前の隼人の乱心の時にも些か気になってはいたが…
洗脳…とまではいかぬが心の弱さにつけ込まれたのかも知れん。
ではフランソワをボルドール家に返して一旦帰国してくれ。
了解しました。
ボルドール家に戻った頃にはフランソワは正気を取り戻していた。
だが膣と肛門に負った裂傷と、注入された薬の副作用で動くことは出来ない。
ボルドール家の医療班にフランソワを引き渡し去ろうとする静乃。
その時フランソワが静乃の手を取って引き留めた。
…助けに来てくれてありがとう。
それと…今までのこと本当にごめんなさい。
目に涙を浮かべ静乃にそう語るフランソワ。
…良いのよ。
あなたが生きていて良かったわ。
こちらこそ結果的に何の関係も無いあなたたちを巻き込んでしまった。
逆に申し訳ない気持ちで一杯よ。
ううん…
私たち…私がもっと強ければ…ボルドール様をお守り出来た筈なのに、
結局降りかかってきたトラブルを私では全く解決出来なくて…
全てあなたたちにおんぶに抱っこになってしまったわ。
私が習ってきた武術なんて実戦には全く役に立たないのね。
あなたの足元にも及ばないのに一人でライバル視していたなんて、本当に恥ずかしいわ。
全く役に立たないなんてことないわよ。
長年鍛練を積んだ素晴らしい技だわ。
たった1日だったけど、それは良くわかったわ。
只…
これからはプライドや妬みは、なるべく抑えた方が良いわね。
使命を達成しようとする時に、プライドや妬みは判断を狂わせるわ。
私たちの商売はそれが即、死に直結するもの。
そうね、肝に命じておくわ。
人の良いところを感じて吸収しようと思えれば、もっともっとあなたは強くなれるわ。
アデュー。(また会いましょう)
アデュー。
あ~!フランソワ!
これをあげるわ。
アメリアはそう言うと錠剤の薬が入った袋をアメリアに渡す。
飛行機の中であなたに飲ませた薬よ。
まだ実験段階だけど、麻薬の依存症を劇的に軽減出来る筈よ。
ありがとう。
じゃあ元気でね!
アメリアはそう言って部屋を後にする。
…ところで。
あなたはいつまでついてくる気なのかしら?
静乃は意地悪くアメリアに尋ねる。
きゃふ~ん!
お姉さまの意地悪!
幸人さんのところまで連れて行って下さい!
アメリアは全く悪びれず、元気一杯そう言った。
…全く。
静乃はアメリアの飄々とした態度に苦笑いしつつ、石橋家への帰途につく。
こうしてボルドール家当主殺害事件は取り敢えずの幕が降りた。
アンドラ公国は警察長官がクローンとすり替わっていることが後に判明した。
…というわけで隼人さんのクローンを生け捕りには出来ませんでした。
ですが最後の「ブラーケン様!」と言う叫びが気になります。
私たちの細胞を持って行った研究者風の小男が見当たりませんでしたので、あるいはその男が黒幕かも…
うむ…半年前の隼人の乱心の時にも些か気になってはいたが…
洗脳…とまではいかぬが心の弱さにつけ込まれたのかも知れん。
ではフランソワをボルドール家に返して一旦帰国してくれ。
了解しました。
ボルドール家に戻った頃にはフランソワは正気を取り戻していた。
だが膣と肛門に負った裂傷と、注入された薬の副作用で動くことは出来ない。
ボルドール家の医療班にフランソワを引き渡し去ろうとする静乃。
その時フランソワが静乃の手を取って引き留めた。
…助けに来てくれてありがとう。
それと…今までのこと本当にごめんなさい。
目に涙を浮かべ静乃にそう語るフランソワ。
…良いのよ。
あなたが生きていて良かったわ。
こちらこそ結果的に何の関係も無いあなたたちを巻き込んでしまった。
逆に申し訳ない気持ちで一杯よ。
ううん…
私たち…私がもっと強ければ…ボルドール様をお守り出来た筈なのに、
結局降りかかってきたトラブルを私では全く解決出来なくて…
全てあなたたちにおんぶに抱っこになってしまったわ。
私が習ってきた武術なんて実戦には全く役に立たないのね。
あなたの足元にも及ばないのに一人でライバル視していたなんて、本当に恥ずかしいわ。
全く役に立たないなんてことないわよ。
長年鍛練を積んだ素晴らしい技だわ。
たった1日だったけど、それは良くわかったわ。
只…
これからはプライドや妬みは、なるべく抑えた方が良いわね。
使命を達成しようとする時に、プライドや妬みは判断を狂わせるわ。
私たちの商売はそれが即、死に直結するもの。
そうね、肝に命じておくわ。
人の良いところを感じて吸収しようと思えれば、もっともっとあなたは強くなれるわ。
アデュー。(また会いましょう)
アデュー。
あ~!フランソワ!
これをあげるわ。
アメリアはそう言うと錠剤の薬が入った袋をアメリアに渡す。
飛行機の中であなたに飲ませた薬よ。
まだ実験段階だけど、麻薬の依存症を劇的に軽減出来る筈よ。
ありがとう。
じゃあ元気でね!
アメリアはそう言って部屋を後にする。
…ところで。
あなたはいつまでついてくる気なのかしら?
静乃は意地悪くアメリアに尋ねる。
きゃふ~ん!
お姉さまの意地悪!
幸人さんのところまで連れて行って下さい!
アメリアは全く悪びれず、元気一杯そう言った。
…全く。
静乃はアメリアの飄々とした態度に苦笑いしつつ、石橋家への帰途につく。
こうしてボルドール家当主殺害事件は取り敢えずの幕が降りた。