静乃と新治第五部 ～新薬テスト
フォフォフォ！
新治君は中々良いヤツみたいじゃの。
お恥ずかしい限りですわ。
研究室の壁に設置された大型モニタを見ながら四谷博士は嬉しそうに静乃に話しかける。
大型モニタの中では今新治が見ている夢…静乃と四谷博士と新治の痴態が繰り広げられていた。
その隣では純の夢…登場人物は違うが同じようなシーンがモニタに映し出されていた。
でもこの装置は何のために？
静乃が四谷博士に尋ねる。
本当の使い方は捕虜にした敵の尋問用じゃ。
昨今国際世論がうるさくて拷問は中々行えんからの。
ポットに入った人間の深層心理を夢として具現化する装置じゃ。
嘘発見機なんかよりずっと正確にその人間の本音が覗けるし、本人にも全く苦痛がない。
というより却ってストレス解消になるぞ。
ウヒヒヒヒヒ！
相変わらず倫理観はかけらもないようですわね。
優秀な科学者なんて皆そんなもんじゃ。
なまじ倫理観なんぞ持っておったら科学の追求力が鈍るわ。
じゃあ新治君と純君はここで楽しんでもらうとして、お前たちはテストを手伝ってくれ。
そう言うとポットに新治と純を残したまま、四谷博士は四人を連れて別室に移動した。
そこで身体にフィットした厚手のスーツを装着させられる。
ではまずこの薬の説明からじゃ。
さっきも言ったようにこの薬は人間の反射神経を飛躍的に増幅させる。
人によって多少の誤差はあるがおよそ１００倍じゃ。
拳銃の弾丸が早歩きと同じ程度のスピードで動いているように見える。
じゃがそのまま普通に動こうとすると肉体にも１００倍の負荷がかかる。
自分では普通に走っているつもりでもマッハ３近くのスピードで走ることになるし、
普通に殴ったつもりでも音速の何倍ものスピードで殴ったことになる。
いくら鍛えられたお前さんたちでもさすがにそれには耐えられん。
だから初めは極力ゆっくり動いて身体を慣らすのじゃ。
今着て貰ったのは対ショックスーツで、衝撃からはある程度身を守ってくれたり、
無理な動きを抑制する働きがあるが、それでも身体の中までは守ってくれんからの。
物に触れる時も細心の注意を払ってゆっくり触れるようにな。
むやみに触れると骨が砕け散ることになる。
まあとにかく「ゆっくり、そっと」じゃ。
新治君は中々良いヤツみたいじゃの。
お恥ずかしい限りですわ。
研究室の壁に設置された大型モニタを見ながら四谷博士は嬉しそうに静乃に話しかける。
大型モニタの中では今新治が見ている夢…静乃と四谷博士と新治の痴態が繰り広げられていた。
その隣では純の夢…登場人物は違うが同じようなシーンがモニタに映し出されていた。
でもこの装置は何のために？
静乃が四谷博士に尋ねる。
本当の使い方は捕虜にした敵の尋問用じゃ。
昨今国際世論がうるさくて拷問は中々行えんからの。
ポットに入った人間の深層心理を夢として具現化する装置じゃ。
嘘発見機なんかよりずっと正確にその人間の本音が覗けるし、本人にも全く苦痛がない。
というより却ってストレス解消になるぞ。
ウヒヒヒヒヒ！
相変わらず倫理観はかけらもないようですわね。
優秀な科学者なんて皆そんなもんじゃ。
なまじ倫理観なんぞ持っておったら科学の追求力が鈍るわ。
じゃあ新治君と純君はここで楽しんでもらうとして、お前たちはテストを手伝ってくれ。
そう言うとポットに新治と純を残したまま、四谷博士は四人を連れて別室に移動した。
そこで身体にフィットした厚手のスーツを装着させられる。
ではまずこの薬の説明からじゃ。
さっきも言ったようにこの薬は人間の反射神経を飛躍的に増幅させる。
人によって多少の誤差はあるがおよそ１００倍じゃ。
拳銃の弾丸が早歩きと同じ程度のスピードで動いているように見える。
じゃがそのまま普通に動こうとすると肉体にも１００倍の負荷がかかる。
自分では普通に走っているつもりでもマッハ３近くのスピードで走ることになるし、
普通に殴ったつもりでも音速の何倍ものスピードで殴ったことになる。
いくら鍛えられたお前さんたちでもさすがにそれには耐えられん。
だから初めは極力ゆっくり動いて身体を慣らすのじゃ。
今着て貰ったのは対ショックスーツで、衝撃からはある程度身を守ってくれたり、
無理な動きを抑制する働きがあるが、それでも身体の中までは守ってくれんからの。
物に触れる時も細心の注意を払ってゆっくり触れるようにな。
むやみに触れると骨が砕け散ることになる。
まあとにかく「ゆっくり、そっと」じゃ。
それとこれを仕掛けておくから実際手で触って確認してみてくれ。
そう言うと四谷博士は少し離れたところに横一線に並べた大小様々な機関銃を指差す。
お前さんたちの薬が効き始めたらすぐ自動連射ボタンを押すからな。
では四人とも、薬を飲んで見てくれ。
四谷博士に促されて四人は薬を飲み込む。
飲んでものの数秒で博士の動きがみるみるスローモーションになり止まった。
ボタンはまだ押されていない。
薬が効き始めたようだ。
四人はゆっくり首を捻りお互いの顔を見る。
四人が四人とも薬が効いているので四人だけは普段と変わらない速度動いているように見える。
各々自分の手を握ってみたり、ゆっくり足を上げてみたりして動作を確認している。
静乃も恐る恐る身体を動かしてみる。
身体も空気も重く感じる。
身体の感覚を確かめたところで皆で機関銃の近くに移動する。
移動し終わる頃一発目の銃弾が発射された。
ゆっくりと立ち上る硝煙。
弾丸は博士の言うように早歩きくらいのスピードで動いている。
試しにゆっくりつまんで見ると止めることは出来ないが軌道は変えられた。
軌道を変えられた弾丸は床に天井にとゆっくり、だが破壊力はそのままにめり込む。
その後も様々な行動を試し、９０分が過ぎたあたりでこれも急激に元のスピードに戻る。
その途端、硝煙の臭いが鼻につき、機関銃の残音が耳に響く。
と、同時に４人は猛烈な息苦しさに襲われた。
おっ！薬が切れたようじゃな。
どうだった？
はあはあはあはあ…
まず…ものすごく疲れます。
ですがこのスーツが秀逸で、無理な行動を抑制してくれるし、物に触れた時の摩擦熱も遮断してくれます。
そうじゃろうそうじゃろう。
その耐ショックスーツはわしの自信作じゃ。
でも…肉体的も精神的にもこれでは厳し過ぎますね。
強さは半分、時間は1/4程度にして頂けますか？
訓練さえ積めばそれでも充分役立ちますわ。
じじいが飲むわけじゃなし、それもそうじゃな。
では成分の配合を調合しよう。
今日はゆっくり休んでくれ。
そう言われた４人はフラフラしながら研究室から出て淫靡な夢を見続けている新治と純の元に向かう。
ポットのハッチを開けると新治も純も驚いた顔で目が覚める。
あ、あれ？静乃さん？
芽依様…いつの間に服を？
もう！あなたたちは幸せで良いわね。
こっちは大変だったんだから。
もうヘトヘトよ。
芽依が皆の気持ちを代弁する。
訓練の様子を話しながら６人は宿泊施設に向かった。
そう言うと四谷博士は少し離れたところに横一線に並べた大小様々な機関銃を指差す。
お前さんたちの薬が効き始めたらすぐ自動連射ボタンを押すからな。
では四人とも、薬を飲んで見てくれ。
四谷博士に促されて四人は薬を飲み込む。
飲んでものの数秒で博士の動きがみるみるスローモーションになり止まった。
ボタンはまだ押されていない。
薬が効き始めたようだ。
四人はゆっくり首を捻りお互いの顔を見る。
四人が四人とも薬が効いているので四人だけは普段と変わらない速度動いているように見える。
各々自分の手を握ってみたり、ゆっくり足を上げてみたりして動作を確認している。
静乃も恐る恐る身体を動かしてみる。
身体も空気も重く感じる。
身体の感覚を確かめたところで皆で機関銃の近くに移動する。
移動し終わる頃一発目の銃弾が発射された。
ゆっくりと立ち上る硝煙。
弾丸は博士の言うように早歩きくらいのスピードで動いている。
試しにゆっくりつまんで見ると止めることは出来ないが軌道は変えられた。
軌道を変えられた弾丸は床に天井にとゆっくり、だが破壊力はそのままにめり込む。
その後も様々な行動を試し、９０分が過ぎたあたりでこれも急激に元のスピードに戻る。
その途端、硝煙の臭いが鼻につき、機関銃の残音が耳に響く。
と、同時に４人は猛烈な息苦しさに襲われた。
おっ！薬が切れたようじゃな。
どうだった？
はあはあはあはあ…
まず…ものすごく疲れます。
ですがこのスーツが秀逸で、無理な行動を抑制してくれるし、物に触れた時の摩擦熱も遮断してくれます。
そうじゃろうそうじゃろう。
その耐ショックスーツはわしの自信作じゃ。
でも…肉体的も精神的にもこれでは厳し過ぎますね。
強さは半分、時間は1/4程度にして頂けますか？
訓練さえ積めばそれでも充分役立ちますわ。
じじいが飲むわけじゃなし、それもそうじゃな。
では成分の配合を調合しよう。
今日はゆっくり休んでくれ。
そう言われた４人はフラフラしながら研究室から出て淫靡な夢を見続けている新治と純の元に向かう。
ポットのハッチを開けると新治も純も驚いた顔で目が覚める。
あ、あれ？静乃さん？
芽依様…いつの間に服を？
もう！あなたたちは幸せで良いわね。
こっちは大変だったんだから。
もうヘトヘトよ。
芽依が皆の気持ちを代弁する。
訓練の様子を話しながら６人は宿泊施設に向かった。
