雷四郎第二部 ～神泉との対決
パトカーと救急車のサイレンが鳴り響く組事務所を後にした雷四郎は、一路神泉の会社に向かう。
亜矢芽は風間に預け、病院で手当てをして貰えるよう手配した。
受付で雷四郎が来たことを告げると役員室に通される。
しばらく待つと神泉が屈強そうな男二人を従えて入って来た。
これはこれは雷四郎さん。
この度はとんだ災難でしたな。
満面の笑みを浮かべ、そう切り出す神泉。
災難？特に災難などないですが？
おやそうでしたか？
てっきり亜矢芽を拉致した嫌疑をかけられいるのかと…
そう言いながら神泉の表情が曇る。
どうやら雷四郎が亜矢芽を奪還したことはまだ耳に届いていないようだった。
ああ、その件ですか。
それなら疑いは晴れましたよ。
雷四郎は内心ほくそ笑みながら話を続ける。
それより亜矢芽から今回の真相を全て聞きましてね。
あなたは小夜の夫にするには些か不適切だと判断しました。
ほう…そうですか…
そう返事をする神泉の顔色がみるみる青ざめて行く。
どうせ亜矢芽も本当の娘ではないのだろう？
少々悪どいことをして会社を大きくするのはまだ可愛いとして、
女を道具のように利用して使い捨てるその価値観は共感出来んな。
と言うことで小夜との婚約は破談。
小夜への慰謝料と俺に対する迷惑料として、持っている会社を全て差し出して貰おうか？
雷四郎は先ほどまでとは打って変わった凄みのある口調で神泉に詰め寄る。
小夜さんとの婚約解消は致し方ないとして、会社を全て明け渡せと言うのは些かごうつくですな。
そうか？この間貴様が俺に言ったのと同じだぞ。
亜矢芽は風間に預け、病院で手当てをして貰えるよう手配した。
受付で雷四郎が来たことを告げると役員室に通される。
しばらく待つと神泉が屈強そうな男二人を従えて入って来た。
これはこれは雷四郎さん。
この度はとんだ災難でしたな。
満面の笑みを浮かべ、そう切り出す神泉。
災難？特に災難などないですが？
おやそうでしたか？
てっきり亜矢芽を拉致した嫌疑をかけられいるのかと…
そう言いながら神泉の表情が曇る。
どうやら雷四郎が亜矢芽を奪還したことはまだ耳に届いていないようだった。
ああ、その件ですか。
それなら疑いは晴れましたよ。
雷四郎は内心ほくそ笑みながら話を続ける。
それより亜矢芽から今回の真相を全て聞きましてね。
あなたは小夜の夫にするには些か不適切だと判断しました。
ほう…そうですか…
そう返事をする神泉の顔色がみるみる青ざめて行く。
どうせ亜矢芽も本当の娘ではないのだろう？
少々悪どいことをして会社を大きくするのはまだ可愛いとして、
女を道具のように利用して使い捨てるその価値観は共感出来んな。
と言うことで小夜との婚約は破談。
小夜への慰謝料と俺に対する迷惑料として、持っている会社を全て差し出して貰おうか？
雷四郎は先ほどまでとは打って変わった凄みのある口調で神泉に詰め寄る。
小夜さんとの婚約解消は致し方ないとして、会社を全て明け渡せと言うのは些かごうつくですな。
そうか？この間貴様が俺に言ったのと同じだぞ。
…とくかくお断りします。
おいっ！お客様がお帰りだ！
神泉はソファーの後ろに立っていた男たちにそう命じる。
男たちは無言で雷四郎が座っているソファーの裏に回り、両脇から雷四郎の腕を掴もうとする。
！
その男たちの首筋に雷四郎の手刀が一閃する。
男たちは声も発せずその場に崩れ落ちた。
ひい！
神泉は短い悲鳴を上げる。
神泉さん、勘違いをして貰っては困る。
そう言いながら雷四郎は応接テーブルの裏とソファーに取り付けられた
盗聴機と部屋の隅に仕掛けられた隠しカメラを次々と壊す。
これはお願いではなく命令だ。
お前が財産一切を月の会に寄付しなければ、その老い先短い人生がもっともっと短くなると言うことだ。
何故今俺がここにいるか、あんたが持っている脆弱な情報網で探って見れば
俺の言葉がどれほど現実味があるかわかるだろう。
期限は明日。
明日までに手続きが完了していなければあんたが明後日の朝を迎えられることはないと思え。
雷四郎はそう言うときびすを返し役員室を後にする。
神泉の顔面は蒼白となり、ソファーで腰を抜かしたまま、ガタガタと身を震わせるだけであった。
神泉の会社を後にした雷四郎はその足で亜矢芽が運び込まれた病院に向かう。
風間の計らいで亜矢芽は警察病院ではなく、雷四郎が経営する病院へと運ばれていた。
雷四郎は医師から容態を聞き、そっと病室に入る。
顔全体を包帯で巻かれ、ベットに横たわる亜矢芽。
鎮痛剤を打たれて眠っているようだった。
ベット横の簡易椅子に座り、亜矢芽の手をそっと握る雷四郎。
しばらくそうしていると亜矢芽の意識が戻る。
雷四郎…様？
亜矢芽は朦朧としながらも雷四郎の姿を認めると起き上がろうとする。
そのまま！そのままだ。
雷四郎は亜矢芽を慌てて制する。
神泉と話をして来た。
ヤツは触れてはいけないモノに触れた。
その落とし前はきっちりつけさせる。
お前はもう何も案ずることはない。
お前を苦しめる者は誰もいなくなったのだ。
ありがとう…ございます。
ここには一流の医者が揃っている。
ゆっくり養生すると良い。
お前の顔も身体も必ず綺麗に元通りになる。
いや、お前が望めば前より綺麗にれるぞ。
ふふふ、ありがとうございます。
では雷四郎様好みの顔とスタイルにして頂きます。
雷四郎様は童顔で巨乳がお好みですか？
いや、冗談だ。
お前は元のままで十分美しく魅力的だ。
ふふふ、私も冗談です。
一日も早く雷四郎様に可愛がって頂けるよう、元気になりますね。
亜矢芽はそう言って笑いながら目には涙を浮かべていた。
雷四郎は何度も何度も、そんな亜矢芽の手を握った。
おいっ！お客様がお帰りだ！
神泉はソファーの後ろに立っていた男たちにそう命じる。
男たちは無言で雷四郎が座っているソファーの裏に回り、両脇から雷四郎の腕を掴もうとする。
！
その男たちの首筋に雷四郎の手刀が一閃する。
男たちは声も発せずその場に崩れ落ちた。
ひい！
神泉は短い悲鳴を上げる。
神泉さん、勘違いをして貰っては困る。
そう言いながら雷四郎は応接テーブルの裏とソファーに取り付けられた
盗聴機と部屋の隅に仕掛けられた隠しカメラを次々と壊す。
これはお願いではなく命令だ。
お前が財産一切を月の会に寄付しなければ、その老い先短い人生がもっともっと短くなると言うことだ。
何故今俺がここにいるか、あんたが持っている脆弱な情報網で探って見れば
俺の言葉がどれほど現実味があるかわかるだろう。
期限は明日。
明日までに手続きが完了していなければあんたが明後日の朝を迎えられることはないと思え。
雷四郎はそう言うときびすを返し役員室を後にする。
神泉の顔面は蒼白となり、ソファーで腰を抜かしたまま、ガタガタと身を震わせるだけであった。
神泉の会社を後にした雷四郎はその足で亜矢芽が運び込まれた病院に向かう。
風間の計らいで亜矢芽は警察病院ではなく、雷四郎が経営する病院へと運ばれていた。
雷四郎は医師から容態を聞き、そっと病室に入る。
顔全体を包帯で巻かれ、ベットに横たわる亜矢芽。
鎮痛剤を打たれて眠っているようだった。
ベット横の簡易椅子に座り、亜矢芽の手をそっと握る雷四郎。
しばらくそうしていると亜矢芽の意識が戻る。
雷四郎…様？
亜矢芽は朦朧としながらも雷四郎の姿を認めると起き上がろうとする。
そのまま！そのままだ。
雷四郎は亜矢芽を慌てて制する。
神泉と話をして来た。
ヤツは触れてはいけないモノに触れた。
その落とし前はきっちりつけさせる。
お前はもう何も案ずることはない。
お前を苦しめる者は誰もいなくなったのだ。
ありがとう…ございます。
ここには一流の医者が揃っている。
ゆっくり養生すると良い。
お前の顔も身体も必ず綺麗に元通りになる。
いや、お前が望めば前より綺麗にれるぞ。
ふふふ、ありがとうございます。
では雷四郎様好みの顔とスタイルにして頂きます。
雷四郎様は童顔で巨乳がお好みですか？
いや、冗談だ。
お前は元のままで十分美しく魅力的だ。
ふふふ、私も冗談です。
一日も早く雷四郎様に可愛がって頂けるよう、元気になりますね。
亜矢芽はそう言って笑いながら目には涙を浮かべていた。
雷四郎は何度も何度も、そんな亜矢芽の手を握った。
