静乃と新治第六部 ~パーティー会場にて
執事に案内された部屋は真ん中に広々とした応接間を備え、
そこを中心に4部屋の寝室を備えたロイヤルスイートルームであった。
すご~い!
リッツホテルより豪華かも!
部屋に通されるなり、芽衣は大はしゃぎである。
でもあのフランソワって女、感じ悪いわね。
芽衣もフランソワの慇懃な態度に気づいてプリプリしている。
ふふふ、そうね。
でも格闘技を「教えて」くれるんだから粗相のないようにね。
静乃はそんな芽衣をなだめる。
は~い。
純君!純君!私たちはこの部屋にしましょう!
芽衣は静乃の言葉に生返事して、純の手を引き部屋を陣取りに行く。
その後ろ姿を苦笑で見送る静乃とナターシャ。
皆それぞれ、夜のパーティーに備えて部屋で身繕いをした。
パーティーには200名程の人が集まっていた。
ボルドール家の私設部隊の主だった面々はもちろんのこと、
フランス内外からボルドール家と親交が深い者たちが集まっていた。
皆、武器商を営む者たちである。
集まった目的はもちろん静乃たちに会うためである。
静乃たちメイド部隊の活躍は、裏社会で知らぬ者などいないくらい轟き渡っていた。
メイド部隊の圧倒的な強さに、軍事関係者は皆、興味津々なのである。
お噂はかねがね、ロシアで見せたレーザー砲のことだか…
アフガニスタンの大統領付き女性兵士はあなた方が指導したと聞いたのだが…
衛星カメラで内乱の様子を見させて貰ったよ。
少しで良いから訓練方法を教えて欲しいのだが…
やはり日本人は皆「ニンジャ」の技を伝授されているのかね?
静乃はもちろんのこと、サーシャやナターシャ、芽衣に至るまで黒山の人だかりである。
そこを中心に4部屋の寝室を備えたロイヤルスイートルームであった。
すご~い!
リッツホテルより豪華かも!
部屋に通されるなり、芽衣は大はしゃぎである。
でもあのフランソワって女、感じ悪いわね。
芽衣もフランソワの慇懃な態度に気づいてプリプリしている。
ふふふ、そうね。
でも格闘技を「教えて」くれるんだから粗相のないようにね。
静乃はそんな芽衣をなだめる。
は~い。
純君!純君!私たちはこの部屋にしましょう!
芽衣は静乃の言葉に生返事して、純の手を引き部屋を陣取りに行く。
その後ろ姿を苦笑で見送る静乃とナターシャ。
皆それぞれ、夜のパーティーに備えて部屋で身繕いをした。
パーティーには200名程の人が集まっていた。
ボルドール家の私設部隊の主だった面々はもちろんのこと、
フランス内外からボルドール家と親交が深い者たちが集まっていた。
皆、武器商を営む者たちである。
集まった目的はもちろん静乃たちに会うためである。
静乃たちメイド部隊の活躍は、裏社会で知らぬ者などいないくらい轟き渡っていた。
メイド部隊の圧倒的な強さに、軍事関係者は皆、興味津々なのである。
お噂はかねがね、ロシアで見せたレーザー砲のことだか…
アフガニスタンの大統領付き女性兵士はあなた方が指導したと聞いたのだが…
衛星カメラで内乱の様子を見させて貰ったよ。
少しで良いから訓練方法を教えて欲しいのだが…
やはり日本人は皆「ニンジャ」の技を伝授されているのかね?
静乃はもちろんのこと、サーシャやナターシャ、芽衣に至るまで黒山の人だかりである。
随分人気があるようね。
パーティーも終盤にさしかかり、人波が途絶えたところでフランソワが話しかけて来る。
ああ、ええ。
皆、物珍しいんじゃないかしら?
私にはわからないわ。
あなた方がそんなに優秀だとは思えないんだけど。
フランソワは皮肉たっぷりにそう言う。
ええ、そうよ。
サーシャとナターシャはちょっと出自が違うけど、
石橋家のメイドは、メイドをやるまで殆んど訓練なんて受けたことない素人だもの。
全然優秀じゃないわ。
活躍しているように見えるのは殆どが装備のお陰よ。
静乃はニッコリ笑ってそう答える。
だから今回、あなたに格闘技を習いに来たのよ。
よろしくね先生。
…ふん。
挑発に全く乗らない静乃に出鼻をくじかれた形になったフランソワは、話を本題に戻す。
明日からの教官を紹介しておくわ。
サミーとアンジー。
二人とも私の愛弟子よ。
そう言って紹介されたのは長身の黒人女性と恰幅の良い大柄な女性であった。
よろしくお願いしますね。
静乃はそう言うと二人と握手を交わす。
サミーとアンジーは形相を崩さず、軽く会釈し挨拶するだけだった。
そうだ!
今度の交渉に静乃たちも用心棒として行って貰うと良い!
ボルドール家の関係者とおぼしき初老の男性が大声でボルドール氏にそう話す。
ん~叔父上…
それは…
ボルドール氏は返答に詰まっていた。
交渉とは何です?
フランソワたちとの気まずい雰囲気を打ち消すように、静乃はボルドール氏に話しかける。
いや実はな。
イタリアンマフィアとの取引で少々揉めて、明後日その交渉にフランソワを含めて
数人で手打ちの交渉をする予定なんだが…
特に問題はないと思うし、客人にわざわざ同席して貰うのはどうかと…
場所はどちらです?
イタリアとの国境に近いアルルだ。
あら!良いですわね!
ゴッホが暮らした街ですよね?
私アルルには行ったことないんですよ!
私たちなら構いませんわ。
観光がてらお供させて頂きます。
フランソワは顔をしかめている。
…ついて来ても良いが足手まといにはなるなよ。
そうつぶやくとサミーとアンジーとともにきびすを返し、パーティー会場から出て行った。
パーティーも終盤にさしかかり、人波が途絶えたところでフランソワが話しかけて来る。
ああ、ええ。
皆、物珍しいんじゃないかしら?
私にはわからないわ。
あなた方がそんなに優秀だとは思えないんだけど。
フランソワは皮肉たっぷりにそう言う。
ええ、そうよ。
サーシャとナターシャはちょっと出自が違うけど、
石橋家のメイドは、メイドをやるまで殆んど訓練なんて受けたことない素人だもの。
全然優秀じゃないわ。
活躍しているように見えるのは殆どが装備のお陰よ。
静乃はニッコリ笑ってそう答える。
だから今回、あなたに格闘技を習いに来たのよ。
よろしくね先生。
…ふん。
挑発に全く乗らない静乃に出鼻をくじかれた形になったフランソワは、話を本題に戻す。
明日からの教官を紹介しておくわ。
サミーとアンジー。
二人とも私の愛弟子よ。
そう言って紹介されたのは長身の黒人女性と恰幅の良い大柄な女性であった。
よろしくお願いしますね。
静乃はそう言うと二人と握手を交わす。
サミーとアンジーは形相を崩さず、軽く会釈し挨拶するだけだった。
そうだ!
今度の交渉に静乃たちも用心棒として行って貰うと良い!
ボルドール家の関係者とおぼしき初老の男性が大声でボルドール氏にそう話す。
ん~叔父上…
それは…
ボルドール氏は返答に詰まっていた。
交渉とは何です?
フランソワたちとの気まずい雰囲気を打ち消すように、静乃はボルドール氏に話しかける。
いや実はな。
イタリアンマフィアとの取引で少々揉めて、明後日その交渉にフランソワを含めて
数人で手打ちの交渉をする予定なんだが…
特に問題はないと思うし、客人にわざわざ同席して貰うのはどうかと…
場所はどちらです?
イタリアとの国境に近いアルルだ。
あら!良いですわね!
ゴッホが暮らした街ですよね?
私アルルには行ったことないんですよ!
私たちなら構いませんわ。
観光がてらお供させて頂きます。
フランソワは顔をしかめている。
…ついて来ても良いが足手まといにはなるなよ。
そうつぶやくとサミーとアンジーとともにきびすを返し、パーティー会場から出て行った。