静乃と新治第六部 ~アルル空港の惨劇
翌日。
一行はアルル空港にいた。
ここでイタリアマフィアからは金銭、ボルドール家からは今後遺恨を残さない旨の念書が手渡される。
ロビーで待ち構えるボニーと部下二名。
その10メートルほど後方にはフランソワとサニーとアンジー。
静乃たちはロビーが見渡せる二階の通路で見物していた。
来たわね。
入国ゲートから出てくる四人組の男たちを見て静乃がつぶやいた。
…静乃サン。
そのメンツを見てナターシャがつぶやく。
静乃はコクリと頷いた。
先頭の男はベリッツェオファミリーの幹部。
後ろの三人は…
「知らない」わね。
…知らない…デスね。
そう言うとナターシャとサーシャは左右に散る。
あなたたちは新治さんと一緒に車へ。
静乃は純とナナと十三にそう指示した。
ヤバい予感しかしないわ。
静乃がポツリとつぶやく。
そうこうしているうちにイタリアマフィアの四人はボニーの手前、5mのところで立ち止まる。
ボニーが制止したのだ。
すかさずフランソワたち三人が前に出てイタリアマフィア四人のボディチェックを行う。
武器を隠し持っていないことを確認すると、フランソワたちは後方に下がる。
ボニーは不敵な笑顔を浮かべながらベリッツェオファミリーの幹部と握手を交わす。
念書と金銭を交換するために双方の手下も近寄る。
!
離れて!
必殺の間合いに全員入っているわ!
静乃の声が空港ロビーに響き渡る。
一行はアルル空港にいた。
ここでイタリアマフィアからは金銭、ボルドール家からは今後遺恨を残さない旨の念書が手渡される。
ロビーで待ち構えるボニーと部下二名。
その10メートルほど後方にはフランソワとサニーとアンジー。
静乃たちはロビーが見渡せる二階の通路で見物していた。
来たわね。
入国ゲートから出てくる四人組の男たちを見て静乃がつぶやいた。
…静乃サン。
そのメンツを見てナターシャがつぶやく。
静乃はコクリと頷いた。
先頭の男はベリッツェオファミリーの幹部。
後ろの三人は…
「知らない」わね。
…知らない…デスね。
そう言うとナターシャとサーシャは左右に散る。
あなたたちは新治さんと一緒に車へ。
静乃は純とナナと十三にそう指示した。
ヤバい予感しかしないわ。
静乃がポツリとつぶやく。
そうこうしているうちにイタリアマフィアの四人はボニーの手前、5mのところで立ち止まる。
ボニーが制止したのだ。
すかさずフランソワたち三人が前に出てイタリアマフィア四人のボディチェックを行う。
武器を隠し持っていないことを確認すると、フランソワたちは後方に下がる。
ボニーは不敵な笑顔を浮かべながらベリッツェオファミリーの幹部と握手を交わす。
念書と金銭を交換するために双方の手下も近寄る。
!
離れて!
必殺の間合いに全員入っているわ!
静乃の声が空港ロビーに響き渡る。
ボニーとフランソワが反射的に静乃の方を振り向くが…
ボニーとその部下二人の頭が、スローモーションのように、ゆっくり床に落ちた。
目にも止まらぬ早さでベリッツェオファミリーの幹部の後ろに控えていた
三人の男たちがボニーたちの首を切り落としたのだ。
いや~!
叫び声をあげうろたえるフランソワ。
サニーとアンジーは声も出せず呆然としている。
撃って!
静乃は手すりを乗り越え、ロビーに舞い降りながら叫ぶが、フランソワたちは誰一人として反応しない。
「おぼこ」かっ!
静乃は舌打ちするとイタリアマフィアの男たちに向けて、ロケットブーツで猛ダッシュする。
ボニーたちの首を切り落とした男たちがフランソワたちに近づく。
と、一足先に到着したナターシャとサーシャが二人の男に体当たりして撥ね飛ばす。
体当たりされた男は10mほど撥ね飛ばされた。
仲間が撥ね飛ばされているにも関わらず、残された男は気にも留めず、フランソワに向けナイフを振りかざす。
足がすくんで避けられないフランソワ。
くっ!
ナイフが降り下ろされるより一瞬早く、静乃がその男に体当たりして撥ね飛ばした。
!
姿勢を低くし、急所である脇腹を抉るように体当たりしたのに
内蔵に損傷を与えるどころか硬いゴムのような感触だった。
強化人間かっ!
静乃とナターシャ、サーシャに撥ね飛ばされた男たちは全くダメージがないように起き上がり、
再びナイフを振りかざして今度は静乃たちに向かって来る。
芽依ちゃん!
ブレード!
はいなっ!
静乃たちの後方30m程の場所で陣取っていた芽依は三本同時に大型ナイフを投げる。
それはリレー選手のように振り向きもしない静乃、ナターシャ、サーシャの手に収まった。
次の瞬間、その「ブレード」と呼ばれた大型ナイフを男たちに向かって振り下ろす静乃たち。
男たちもナイフで受けようとするが、まるで紙きれのように男たちのナイフもろとも身体が切り刻まれていく。
超振動ブレードで切れないものはないわ。
血しぶきをあげて床に崩れる男たち「だった」肉塊を見下し、そうつぶやく静乃。
予想外の展開に顔面蒼白になり逃げ出そうとするベリッツェオファミリーの幹部。
サーシャが先回りして取り押さえようとした瞬間。
ぐおっ!
男の後頭部が爆発し、首がもげ、血しぶきをあげる。
!
これは…
床に崩れ落ちるベリッツェオファミリーの幹部を見ながら静乃は呆然とした。
振り返ってフランソワたちに目をやると、皆、ガタガタと震え、顔面蒼白となり床にへたり込んでいる。
フランソワに至っては失禁していた。
ゆっくり歩み寄り手を差し伸べる静乃。
あ、ありがとう…
立ち上がろうとするフランソワ。
だが腰が抜けていて立てない。
…あなた「殺し」はしたことなかったの?
静乃の問いに床を見つめながらコクコクと首を縦に振るフランソワ。
…「本気」で向かって来る相手に躊躇は命取りよ。
そのことだけは覚えておいてね。
一旦は蜘蛛の子を散らすように逃げていた一般客が、騒ぎが収まった途端、徐々に集まって来る。
遠くにパトカーのサイレンの音も聞こえて来た。
静乃たちは床にへたり込んでいるフランソワたちを肩に抱え、新治たちが待機している駐車場へと向かった。
ボニーとその部下二人の頭が、スローモーションのように、ゆっくり床に落ちた。
目にも止まらぬ早さでベリッツェオファミリーの幹部の後ろに控えていた
三人の男たちがボニーたちの首を切り落としたのだ。
いや~!
叫び声をあげうろたえるフランソワ。
サニーとアンジーは声も出せず呆然としている。
撃って!
静乃は手すりを乗り越え、ロビーに舞い降りながら叫ぶが、フランソワたちは誰一人として反応しない。
「おぼこ」かっ!
静乃は舌打ちするとイタリアマフィアの男たちに向けて、ロケットブーツで猛ダッシュする。
ボニーたちの首を切り落とした男たちがフランソワたちに近づく。
と、一足先に到着したナターシャとサーシャが二人の男に体当たりして撥ね飛ばす。
体当たりされた男は10mほど撥ね飛ばされた。
仲間が撥ね飛ばされているにも関わらず、残された男は気にも留めず、フランソワに向けナイフを振りかざす。
足がすくんで避けられないフランソワ。
くっ!
ナイフが降り下ろされるより一瞬早く、静乃がその男に体当たりして撥ね飛ばした。
!
姿勢を低くし、急所である脇腹を抉るように体当たりしたのに
内蔵に損傷を与えるどころか硬いゴムのような感触だった。
強化人間かっ!
静乃とナターシャ、サーシャに撥ね飛ばされた男たちは全くダメージがないように起き上がり、
再びナイフを振りかざして今度は静乃たちに向かって来る。
芽依ちゃん!
ブレード!
はいなっ!
静乃たちの後方30m程の場所で陣取っていた芽依は三本同時に大型ナイフを投げる。
それはリレー選手のように振り向きもしない静乃、ナターシャ、サーシャの手に収まった。
次の瞬間、その「ブレード」と呼ばれた大型ナイフを男たちに向かって振り下ろす静乃たち。
男たちもナイフで受けようとするが、まるで紙きれのように男たちのナイフもろとも身体が切り刻まれていく。
超振動ブレードで切れないものはないわ。
血しぶきをあげて床に崩れる男たち「だった」肉塊を見下し、そうつぶやく静乃。
予想外の展開に顔面蒼白になり逃げ出そうとするベリッツェオファミリーの幹部。
サーシャが先回りして取り押さえようとした瞬間。
ぐおっ!
男の後頭部が爆発し、首がもげ、血しぶきをあげる。
!
これは…
床に崩れ落ちるベリッツェオファミリーの幹部を見ながら静乃は呆然とした。
振り返ってフランソワたちに目をやると、皆、ガタガタと震え、顔面蒼白となり床にへたり込んでいる。
フランソワに至っては失禁していた。
ゆっくり歩み寄り手を差し伸べる静乃。
あ、ありがとう…
立ち上がろうとするフランソワ。
だが腰が抜けていて立てない。
…あなた「殺し」はしたことなかったの?
静乃の問いに床を見つめながらコクコクと首を縦に振るフランソワ。
…「本気」で向かって来る相手に躊躇は命取りよ。
そのことだけは覚えておいてね。
一旦は蜘蛛の子を散らすように逃げていた一般客が、騒ぎが収まった途端、徐々に集まって来る。
遠くにパトカーのサイレンの音も聞こえて来た。
静乃たちは床にへたり込んでいるフランソワたちを肩に抱え、新治たちが待機している駐車場へと向かった。