静乃と新治第六部 ～背後で糸を引く者
シズノ、今回は本当にすまなかった。
そしてありがとう。
ボルドール家に戻った静乃たちは医療班にフランソワたちを引き渡し、ボルドール氏と対面した。
イタリアマフィアが何故あんな無謀なことをしたのか調べさせたら、
そもそも接触して来たヤツラ自体が偽物であるとわかった。
爆死した筈のベリッツェオファミリーの幹部はイタリアで今も健在だ。
つまり…
つまり爆死したベリッツェオファミリーの幹部はクローンだったと？
！？
その発想はなかった！
似ている者を立ててきたのだとばかり…
世界の犯罪者に精通しているボルドール家の情報部がそんな失態はしない筈ですわ。
照合するコンピューターが見分けがつかない程の偽物といえばクローンです。
だがヤツらは大人だったぞ。
大人のクローンが実用化したなどという話は聞いたことがない。
それが実は…
半年前にあった石橋家の内乱の件はご存知ですよね？
ああ、知っとる。
プロフェッサー四谷の息子が起こした内乱で、お前さんたちが解決したのだったな。
あの事件の首謀者である隼人さんは、クローン技術の権威で、
内乱でもクローン技術で戦闘員や自分の影武者を多数作っていました。
今回手下に使っていたのは元は街のゴロツキを強化人間にしていました。
それを総合的に考えると、半年前に死んだ隼人さんに極近い人が背後にいるのではないかと…
もしくは本人か…
まさかっ！
隼人さんは私の目の前で息を引き取りました。
それはないと思います。
…そうか。
いずれにせよ目的は何か…だ。
そしてありがとう。
ボルドール家に戻った静乃たちは医療班にフランソワたちを引き渡し、ボルドール氏と対面した。
イタリアマフィアが何故あんな無謀なことをしたのか調べさせたら、
そもそも接触して来たヤツラ自体が偽物であるとわかった。
爆死した筈のベリッツェオファミリーの幹部はイタリアで今も健在だ。
つまり…
つまり爆死したベリッツェオファミリーの幹部はクローンだったと？
！？
その発想はなかった！
似ている者を立ててきたのだとばかり…
世界の犯罪者に精通しているボルドール家の情報部がそんな失態はしない筈ですわ。
照合するコンピューターが見分けがつかない程の偽物といえばクローンです。
だがヤツらは大人だったぞ。
大人のクローンが実用化したなどという話は聞いたことがない。
それが実は…
半年前にあった石橋家の内乱の件はご存知ですよね？
ああ、知っとる。
プロフェッサー四谷の息子が起こした内乱で、お前さんたちが解決したのだったな。
あの事件の首謀者である隼人さんは、クローン技術の権威で、
内乱でもクローン技術で戦闘員や自分の影武者を多数作っていました。
今回手下に使っていたのは元は街のゴロツキを強化人間にしていました。
それを総合的に考えると、半年前に死んだ隼人さんに極近い人が背後にいるのではないかと…
もしくは本人か…
まさかっ！
隼人さんは私の目の前で息を引き取りました。
それはないと思います。
…そうか。
いずれにせよ目的は何か…だ。
君たちがいなければ間違いなくフランソワたちも含め、皆殺しになっていただろう。
そうすれば我々はベリッツェオファミリーの仕業と断定し、全面戦争に突入していただろう。
そうなって喜ぶのは誰だ？
…わかりません。
言えるのはこの事件に私たち石橋の技術が使われていると言うこと。
それとボルドール様の身辺警護が手薄になったということです。
背後にいる存在の正体が掴めるまで、私たちに調査のお手伝いと
ボルドール様の身辺警護をお任せ頂けないでしょうか？
それはありがたいが、龍之介に申し訳ないな。
大丈夫だとは思いますが、私の方から龍之介様にご許可を取っておきます。
その後、龍之介に連絡を取った静乃は現状と、刺客に隼人の技術が使われていたことを報告する。
龍之介も静乃と同意見であり、徹底的に調査して、禍根を残さぬよう背後で動いている者を消せとの指示だった。
翌日。
これがウチの情報部が調べあげた資料だ。
ボルドール氏からファイルケースに入った報告書の束を受け取る静乃。
ありがとうございます。
ベリッツェオファミリー幹部のクローンとその部下が、
監視カメラに映っているところを時間を逆にして追ってある。
最初に確認出来たのはシチリア島のこの街だ。
ボルドールはそう言うと地図を指差す。
了解しました。
情報部に詳細を確認したいので担当者に会わせて頂けますか？
担当者か？
すまん、夜通し分析を行わせていたので今は眠っている。
起きたらすぐ連絡を入れさせよう。
とりあえず現地に向かってくれないか？
…わかりました。
では私とこの娘…芽依ちゃんとで現地に向かいます。
ナターシャとサーシャは護衛として置いていきますわ。
何？二人だけで大丈夫なのか？
二人ではなく三人です。
優秀なドライバー…
私の夫の新治さんも連れて行きます。
では。
静乃はそう言うと資料を持ち部屋を出て行こうとする。
三人ではなく四人よ。
ドアのところにはフランソワが立っていた。
フランソワ！
大丈夫なの？
ええ、シズノ。
怪我をしているわけではないし大丈夫よ。
私も連れていって。
昨日目の前でボニーが殺されたのに私足がすくんで何も出来なくて…
思い出すと怖くて悔しくて情けなくて…
そんな気持ちを早く絶ち切りたいの。
それにボニーやみんなの仇討ちもしたいしね。
ボルドール様、同行の許可を下さい。
いえ、許可がなくても行きます。
…それほど言うなら止めても無駄だろう。
行くが良い。
ありがとうございます！
こうして静乃はナターシャとサーシャをボルドール家に置き、空路シチリア島へと向かった。
そうすれば我々はベリッツェオファミリーの仕業と断定し、全面戦争に突入していただろう。
そうなって喜ぶのは誰だ？
…わかりません。
言えるのはこの事件に私たち石橋の技術が使われていると言うこと。
それとボルドール様の身辺警護が手薄になったということです。
背後にいる存在の正体が掴めるまで、私たちに調査のお手伝いと
ボルドール様の身辺警護をお任せ頂けないでしょうか？
それはありがたいが、龍之介に申し訳ないな。
大丈夫だとは思いますが、私の方から龍之介様にご許可を取っておきます。
その後、龍之介に連絡を取った静乃は現状と、刺客に隼人の技術が使われていたことを報告する。
龍之介も静乃と同意見であり、徹底的に調査して、禍根を残さぬよう背後で動いている者を消せとの指示だった。
翌日。
これがウチの情報部が調べあげた資料だ。
ボルドール氏からファイルケースに入った報告書の束を受け取る静乃。
ありがとうございます。
ベリッツェオファミリー幹部のクローンとその部下が、
監視カメラに映っているところを時間を逆にして追ってある。
最初に確認出来たのはシチリア島のこの街だ。
ボルドールはそう言うと地図を指差す。
了解しました。
情報部に詳細を確認したいので担当者に会わせて頂けますか？
担当者か？
すまん、夜通し分析を行わせていたので今は眠っている。
起きたらすぐ連絡を入れさせよう。
とりあえず現地に向かってくれないか？
…わかりました。
では私とこの娘…芽依ちゃんとで現地に向かいます。
ナターシャとサーシャは護衛として置いていきますわ。
何？二人だけで大丈夫なのか？
二人ではなく三人です。
優秀なドライバー…
私の夫の新治さんも連れて行きます。
では。
静乃はそう言うと資料を持ち部屋を出て行こうとする。
三人ではなく四人よ。
ドアのところにはフランソワが立っていた。
フランソワ！
大丈夫なの？
ええ、シズノ。
怪我をしているわけではないし大丈夫よ。
私も連れていって。
昨日目の前でボニーが殺されたのに私足がすくんで何も出来なくて…
思い出すと怖くて悔しくて情けなくて…
そんな気持ちを早く絶ち切りたいの。
それにボニーやみんなの仇討ちもしたいしね。
ボルドール様、同行の許可を下さい。
いえ、許可がなくても行きます。
…それほど言うなら止めても無駄だろう。
行くが良い。
ありがとうございます！
こうして静乃はナターシャとサーシャをボルドール家に置き、空路シチリア島へと向かった。
