静乃と新治第六部 ~シチリア島の激闘 前篇
シチリア島で現地の石橋家諜報部員から荷台に黒い半球状の物体が設置されたピックアップトラックを受け取り、
ベリッツェオファミリー幹部のクローンとその部下が最初に確認されたという街に向かう。
街に入る寸前、静乃の衛星電話にボルドール家情報部から連絡が入る。
静乃さんですか?
僕はボルドール家情報部のステファンと申します。
あの後、更に分析を進めてどこの建物から出てきたのかまで特定出来ました。
…そう。
では場所を教えて。
ベッキオ広場の2ブロック先を左に曲がって5軒目のビルです。
今は廃墟になっています。
…わかったわ。
とりあえず行ってみる。
静乃はそう言うと電話を切る。
街に入ってほどなくするとベッキオ広場に出る。
2ブロック行ったところで新治は車を停める。
…新治さんはここで待機。
了解。
そう言うと静乃は外に出て、車のトランクから防具と武器を取り出す。
フランソワ。
あなたにはこれを渡しておくわ。
静乃はそう言うとトランクから大型拳銃と昨日使った「超振動ブレード」を取り出す。
ブレードの威力は昨日見たから知っているわね?
このスイッチを押すと振動が始まるわ。
一分くらいしかもたないから気をつけて。
それとこの銃は55口径なんだけど、無反動機構が実装されているから、
実質あなたが普段使っているシグプロと同じくらいの反動よ。
重さはそれなりにあるから携帯には向かないけど、これなら象だろうと強化人間だろうと吹っ飛ぶわ。
ありがとう。
静乃はフランソワに防弾ヘルメットも渡し、芽依、フランソワとともに車を降り歩き出す。
…フランソワはここで待機しててね。
ビルの30メートルほど手前で静乃はそう言うと、芽依とともにビルに入ろうとする。
ベリッツェオファミリー幹部のクローンとその部下が最初に確認されたという街に向かう。
街に入る寸前、静乃の衛星電話にボルドール家情報部から連絡が入る。
静乃さんですか?
僕はボルドール家情報部のステファンと申します。
あの後、更に分析を進めてどこの建物から出てきたのかまで特定出来ました。
…そう。
では場所を教えて。
ベッキオ広場の2ブロック先を左に曲がって5軒目のビルです。
今は廃墟になっています。
…わかったわ。
とりあえず行ってみる。
静乃はそう言うと電話を切る。
街に入ってほどなくするとベッキオ広場に出る。
2ブロック行ったところで新治は車を停める。
…新治さんはここで待機。
了解。
そう言うと静乃は外に出て、車のトランクから防具と武器を取り出す。
フランソワ。
あなたにはこれを渡しておくわ。
静乃はそう言うとトランクから大型拳銃と昨日使った「超振動ブレード」を取り出す。
ブレードの威力は昨日見たから知っているわね?
このスイッチを押すと振動が始まるわ。
一分くらいしかもたないから気をつけて。
それとこの銃は55口径なんだけど、無反動機構が実装されているから、
実質あなたが普段使っているシグプロと同じくらいの反動よ。
重さはそれなりにあるから携帯には向かないけど、これなら象だろうと強化人間だろうと吹っ飛ぶわ。
ありがとう。
静乃はフランソワに防弾ヘルメットも渡し、芽依、フランソワとともに車を降り歩き出す。
…フランソワはここで待機しててね。
ビルの30メートルほど手前で静乃はそう言うと、芽依とともにビルに入ろうとする。
ちょ!ちょっと待ってよ!
私も行くわ!
フランソワが二人を制止する。
「私が」仇を取らなきゃダメなのよっ!
必死でそう主張するフランソワ。
…フランソワ、気持ちは分かるけどきっとあなたの仇はビルにいないわ。
ビルから敵が出てきたら撃ってね。
今度は「ためらわず」よ。
そう言うと静乃は芽依とともに廃墟ビルへと入って行く。
一階ロビーは吹き抜けになっており、上階まで見渡せた。
静乃とアイコンタクトを取った芽依は吸引爆弾を建物の柱に向けて次々投げる。
上階には昇らず、擲弾筒で吸引爆弾を撃ち込む。
その時であった。
吹き抜けを使って上階から強化人間が次々と飛び降りて来た。
お出ましよ!
静乃はそう言うと芽依とともにビルの外に駆け出る。
と、同時に芽依は起爆スイッチを押し、吸引爆弾を一斉に爆発させる。
ドーン!
轟音とともに廃墟ビルは内側に向かって崩壊する。
もうもうと立ち込める土煙。
フランソワはその光景に只々、唖然としている。
気を抜かないで!
まだ生きているわ!
静乃も芽依も他のビルを遮蔽物にして隠れながら、崩壊したビルに大型拳銃の照準を合わせる。
土埃が収まると瓦礫の中からのっそりと、先ほどの男たちが現れる。
その数40体あまり。
また沢山揃えたわね。
静乃はそう言うと同時に撃つ。
バン!
静乃の撃った弾は先頭の男の胸部にヒットする。
大穴が空くが男は動きを止めない。
バンバン!
立て続けに二発。
今度は頭部と股間を撃ち抜く。
男はその場に崩れ落ちた。
一匹に3発…まずいわね。
フランソワ!芽依ちゃん!股間を狙って!
飛び道具は持っていないようだから死ななくても良いわ!
とにかく動きを止めるのよっ!
静乃の声に反応してフランソワも芽依も男たちの股間を狙う。
男たちは次々その場に崩れるが正確にヒットさせるフランソワに対して芽依は撃ち損じが多い。
弾倉が空になったら車に逃げて!
狙撃手が狙っているからビルの影を抜けたら身体を小さくして全力疾走よっ!
静乃は撃ち続けながら二人に指示する。
まず芽依の断層が空になる。
襲いかかる男たち。
あわわわわ!
芽依は全力で逃げるが追い付かれそうになる。
バン!
芽依を襲おうとした男の頭部が吹っ飛ぶ。
間一髪、フランソワが援護したのだ。
静乃もフランソワも残弾数を数えながらじりじりと車に向かい後退する。
二人の弾がなくなったのはほぼ同時だった。
車には既にビル上からの狙撃手の銃弾が雨あられと降り注いでいたが、
防弾処理を施されているのでびくともしない。
痛たたたた!
三発も当てられたわ!
後部座席に飛び込んだ静乃が、舌打ちしながら助手席に移動する。
静乃たちが車に飛び乗ったと同時に新治は車を発進させる。
生き残った男たちがもの凄い勢いで走って追って来る。
それだけではない。
そこら中のビルの上から狙撃を受けた。
ライフルで歯が立たないとわかったのかロケットランチャーらしき物を構えるヤツもいる。
これだけ囲まれてはいくら防弾装備を施した車でも脱出は難しいのではないか。
後部座席に潜り込んだフランソワはそう思った。
私も行くわ!
フランソワが二人を制止する。
「私が」仇を取らなきゃダメなのよっ!
必死でそう主張するフランソワ。
…フランソワ、気持ちは分かるけどきっとあなたの仇はビルにいないわ。
ビルから敵が出てきたら撃ってね。
今度は「ためらわず」よ。
そう言うと静乃は芽依とともに廃墟ビルへと入って行く。
一階ロビーは吹き抜けになっており、上階まで見渡せた。
静乃とアイコンタクトを取った芽依は吸引爆弾を建物の柱に向けて次々投げる。
上階には昇らず、擲弾筒で吸引爆弾を撃ち込む。
その時であった。
吹き抜けを使って上階から強化人間が次々と飛び降りて来た。
お出ましよ!
静乃はそう言うと芽依とともにビルの外に駆け出る。
と、同時に芽依は起爆スイッチを押し、吸引爆弾を一斉に爆発させる。
ドーン!
轟音とともに廃墟ビルは内側に向かって崩壊する。
もうもうと立ち込める土煙。
フランソワはその光景に只々、唖然としている。
気を抜かないで!
まだ生きているわ!
静乃も芽依も他のビルを遮蔽物にして隠れながら、崩壊したビルに大型拳銃の照準を合わせる。
土埃が収まると瓦礫の中からのっそりと、先ほどの男たちが現れる。
その数40体あまり。
また沢山揃えたわね。
静乃はそう言うと同時に撃つ。
バン!
静乃の撃った弾は先頭の男の胸部にヒットする。
大穴が空くが男は動きを止めない。
バンバン!
立て続けに二発。
今度は頭部と股間を撃ち抜く。
男はその場に崩れ落ちた。
一匹に3発…まずいわね。
フランソワ!芽依ちゃん!股間を狙って!
飛び道具は持っていないようだから死ななくても良いわ!
とにかく動きを止めるのよっ!
静乃の声に反応してフランソワも芽依も男たちの股間を狙う。
男たちは次々その場に崩れるが正確にヒットさせるフランソワに対して芽依は撃ち損じが多い。
弾倉が空になったら車に逃げて!
狙撃手が狙っているからビルの影を抜けたら身体を小さくして全力疾走よっ!
静乃は撃ち続けながら二人に指示する。
まず芽依の断層が空になる。
襲いかかる男たち。
あわわわわ!
芽依は全力で逃げるが追い付かれそうになる。
バン!
芽依を襲おうとした男の頭部が吹っ飛ぶ。
間一髪、フランソワが援護したのだ。
静乃もフランソワも残弾数を数えながらじりじりと車に向かい後退する。
二人の弾がなくなったのはほぼ同時だった。
車には既にビル上からの狙撃手の銃弾が雨あられと降り注いでいたが、
防弾処理を施されているのでびくともしない。
痛たたたた!
三発も当てられたわ!
後部座席に飛び込んだ静乃が、舌打ちしながら助手席に移動する。
静乃たちが車に飛び乗ったと同時に新治は車を発進させる。
生き残った男たちがもの凄い勢いで走って追って来る。
それだけではない。
そこら中のビルの上から狙撃を受けた。
ライフルで歯が立たないとわかったのかロケットランチャーらしき物を構えるヤツもいる。
これだけ囲まれてはいくら防弾装備を施した車でも脱出は難しいのではないか。
後部座席に潜り込んだフランソワはそう思った。