静乃と新治第六部 ~臨死体験 前篇
突入した教会で罠にはまり、網に絡まれた状態で重機関銃に囲まれる静乃。
もうダメ…死んだ。
静乃の脳裏に今までの思い出が走馬灯のように浮かんだ。
新治が笑顔で微笑んでいる。
一応身体を丸めて衝撃に備える。
この間2、3秒であろうか?
ドンドンドン!
重機関銃の重い発射音が礼拝堂に響き渡る。
重機関銃から排出された薬莢が滝のように床に落ちた。
それと同時に重機関銃は麻里の狙撃によって次々と破壊される。
きっかり1秒後。
全ての重機関銃は沈黙した。
?
生きてる?
奇跡的に静乃は生きていた。
しかも無傷である。
なになになになに?
その時であった。
礼拝堂の床が跳ね上がり、地下から女が叫びながら飛び出して来た。
正確には暗いので姿形はわからなかったが声からして若い女である。
静乃と目があったと思った瞬間、女は床に顔を擦り付けていた。
左右の窓から飛び込んだナターシャとサーシャに取り押さえられたのである。
フランソワに習った捕縛術が早速役立った。
痛い痛い痛い!
女はけたたましく喚く。
静乃はゆっくり網から抜け出す。
もうダメ…死んだ。
静乃の脳裏に今までの思い出が走馬灯のように浮かんだ。
新治が笑顔で微笑んでいる。
一応身体を丸めて衝撃に備える。
この間2、3秒であろうか?
ドンドンドン!
重機関銃の重い発射音が礼拝堂に響き渡る。
重機関銃から排出された薬莢が滝のように床に落ちた。
それと同時に重機関銃は麻里の狙撃によって次々と破壊される。
きっかり1秒後。
全ての重機関銃は沈黙した。
?
生きてる?
奇跡的に静乃は生きていた。
しかも無傷である。
なになになになに?
その時であった。
礼拝堂の床が跳ね上がり、地下から女が叫びながら飛び出して来た。
正確には暗いので姿形はわからなかったが声からして若い女である。
静乃と目があったと思った瞬間、女は床に顔を擦り付けていた。
左右の窓から飛び込んだナターシャとサーシャに取り押さえられたのである。
フランソワに習った捕縛術が早速役立った。
痛い痛い痛い!
女はけたたましく喚く。
静乃はゆっくり網から抜け出す。
良く見ると網は特殊繊維で出来ており、柔軟性はあるが通常のナイフでは全く切れず、
しかも接着剤で身動きが取れなくなる仕掛けも施されていた。
…あなたはどこの組織の者?
ナターシャとサーシャに取り押さえられている女の前に立ち、ゆっくり尋ねる静乃。
ど、どこの組織って…
この国に雇われた兵器技術者よ。
つまり黒幕はムワラティ国王ってことかしら?
静乃は尚も尋ねる。
ムワラティ国王は関係ないわ。
ムワラティ国王に贈られた判別機を預かったからこっそり持ち出して分解したの。
なんの目的で?
そ、それは…
判別機を分解すればあなたたちが来るでしょ?
そうすれば…
そうすれば?
幸人さんに会えるじゃなぁい♪
はぁ?
幸人さんったら半年前、急に実家に戻らなきゃならなくなったって、私を置いて行ったのよ。
寂しくて毎日泣いて暮らしたわ。
そんな時 大統領から預かった機械の刻印を見たら「イシバシ」の文字があったのよ。
「分解すると故障する」って話から、つまり分解するとあなたたちが来るってことでしょ?
だからこうして待ち構えていたのよっ!
…意味がわからないわ。
まず幸人さんに連絡したいのなら普通に電話なりすれば良かったんじゃない?
…連絡先教えてくれなかったの。
ネットから情報を仕入れようとしたけど情報管制が敷かれていて…
石橋研究所にハッキングも試みたんだけど全く歯が立たなかったわ。
…それは理解出来るわね。
それと「私たちが来るとわかっていた」言ってたわね?
それは何故?
あら当たり前じゃない。
石橋家のメイド部隊って言ったら世界最高クラスの暗殺部隊よ。
何が起きているのかは知らないけど、石橋家に弓引く者がいれば駆けつけて来るでしょ?
女はしたり顔でそう言った。
…そう。
では罠を張って私を「臨死体験」させた目的は?
それは…
それは?
そんなあなたたちを出し抜ければ私も兵器開発者として名が売れるかな?って。
ひょっとしたら石橋兵器研究所にスカウトされたりして…
そしたら幸人さんと毎日あんなことやこんなこと…
いや~ん!
女はそう言うと顔を赤らめ両手で覆う。
あ~!そうそう!
あなたを「臨死体験」させた重機関銃は全部空砲だったの。
引っ掛かるかどうか不安だったけど泣く子も黙る石橋家のメイド部隊も案外間抜けだったわね。
そう言うと女はカラカラと笑った。
しかも接着剤で身動きが取れなくなる仕掛けも施されていた。
…あなたはどこの組織の者?
ナターシャとサーシャに取り押さえられている女の前に立ち、ゆっくり尋ねる静乃。
ど、どこの組織って…
この国に雇われた兵器技術者よ。
つまり黒幕はムワラティ国王ってことかしら?
静乃は尚も尋ねる。
ムワラティ国王は関係ないわ。
ムワラティ国王に贈られた判別機を預かったからこっそり持ち出して分解したの。
なんの目的で?
そ、それは…
判別機を分解すればあなたたちが来るでしょ?
そうすれば…
そうすれば?
幸人さんに会えるじゃなぁい♪
はぁ?
幸人さんったら半年前、急に実家に戻らなきゃならなくなったって、私を置いて行ったのよ。
寂しくて毎日泣いて暮らしたわ。
そんな時 大統領から預かった機械の刻印を見たら「イシバシ」の文字があったのよ。
「分解すると故障する」って話から、つまり分解するとあなたたちが来るってことでしょ?
だからこうして待ち構えていたのよっ!
…意味がわからないわ。
まず幸人さんに連絡したいのなら普通に電話なりすれば良かったんじゃない?
…連絡先教えてくれなかったの。
ネットから情報を仕入れようとしたけど情報管制が敷かれていて…
石橋研究所にハッキングも試みたんだけど全く歯が立たなかったわ。
…それは理解出来るわね。
それと「私たちが来るとわかっていた」言ってたわね?
それは何故?
あら当たり前じゃない。
石橋家のメイド部隊って言ったら世界最高クラスの暗殺部隊よ。
何が起きているのかは知らないけど、石橋家に弓引く者がいれば駆けつけて来るでしょ?
女はしたり顔でそう言った。
…そう。
では罠を張って私を「臨死体験」させた目的は?
それは…
それは?
そんなあなたたちを出し抜ければ私も兵器開発者として名が売れるかな?って。
ひょっとしたら石橋兵器研究所にスカウトされたりして…
そしたら幸人さんと毎日あんなことやこんなこと…
いや~ん!
女はそう言うと顔を赤らめ両手で覆う。
あ~!そうそう!
あなたを「臨死体験」させた重機関銃は全部空砲だったの。
引っ掛かるかどうか不安だったけど泣く子も黙る石橋家のメイド部隊も案外間抜けだったわね。
そう言うと女はカラカラと笑った。